貫通弾の落下エネルギーで力による地下深部への到達爆発には限界か
「衝撃波や応力波」活用を念頭に、理論・構造・素材・試験法など募る
爆弾の爆発や落下エネルギーによって生じる「衝撃波や応力波」の効果を活用した、新たなタイプの「地下施設攻撃」爆弾の「情報提供依頼書(RFI)」を発出し、「衝撃波や応力波」効果を利用し破壊効果を生み出すメカニズムや理論、爆弾の構造、爆弾製造に必要な素材、開発テストに必要な環境等々のアイディアの他、「衝撃波や応力波」活用以外の提案も広く募集していると紹介しています。
「地下施設攻撃能力の強化」については、6月2日付のブログ記事「中央軍司令官の要望事項3つ」でも取り上げた事項ですが、今回の新型爆弾はDefense-News記事からすると、現在保有の3万ポンド級巨大貫通弾MOP(GBU-57 Massive Ordnance Penetrator)を超える地下攻撃能力を目指すものや、B-2爆撃機のみに搭載可能なMOP級破壊力爆弾の「小型化」を目指すものの「匂い」がするのですが、
「新たな地下施設攻撃兵器」が、現有貫通弾シリーズをどのように、「補完?」「能力拡大?」「改良?」しようとしているのかについて、「情報提供依頼書(RFI)」は明確にしていない模様で、Defense-News記事も表現を濁して、周辺状況の説明だけにとどめています。
記事は難解な専門用語満載の「情報提供依頼書(RFI)」の要望概要について、
・従来の落下エネルギー利用と爆弾の経験的設計思想を超え、様々な対象材質に対し「衝撃波や応力波」を意図的に「形成、誘導、増幅、または抑制するメカニズム」に特に関心を示している
・関心分野は、強い負荷下での過渡的な材料状態操作、非線形および異方性波の制御、動的インピーダンス整合、制御破壊の開始&進行、複雑な目標への破壊効果を飛躍的にさせるための構造、材料、幾何学的効果の結合等だが、これら以外のアイディアも歓迎する
・また、上記の衝撃効果確保に向けた、必要な素材を能動的に調整可能な材料や斬新な製造方法、更に種々の新たな観測体制や、高ひずみ速度現象をその場で解明できる高度な診断技術等に関する提案も募集している
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末尾の関連過去記事では5-6年前からの貫通弾開発をご紹介していますが、DARPAによる今次の提案募集は、これら過去の取り組みが「壁にぶち当たり」、新たなタイプの兵器を模索する必要性が生じたと「想像」することも可能でしょう
記事は、米陸軍特別編成のトンネル攻略チーム「tunnel rats」による、イランの岩盤強固な地下300フィート(約90m)の核施設破壊は極めて困難だとの見解を紹介し、「核施設、ミサイル発射装置、砲台」をトンネルに隠蔽している北朝鮮施設にも同様の警戒感を示していますが、
同時に記事は、ハマスやヒズボラといった非国家主体が施設の地下化を進め、露ウ戦争でも対ドローンで兵士が多くの時間を地下壕で過ごすようになっている現状も見逃せないとし、様々な航空機
に搭載可能な小型バンカーバスター爆弾開発も、DARPAは視野に置いているだろうと記事を結んでいます。
話が少し飛びますが、日本は中露NKに相対する「脅威の最前線」にありますが、様々な「防衛力強化の提言」を見ても、まだまだ「攻撃を受ける」ことへの「備えの意識」が不足していると思います。相手の抑止に「攻撃力」は重要ですが、「攻撃力」を確保する基盤として、生き残れる「攻撃力」や「攻撃力」を守る能力や施設が必要であり、この点で日本における戦闘機への投資は費用対効果面で再吟味が必要で、粘り強く戦える体制への転換が必要です
貫通弾関連の記事
「次の巨大貫通弾の開発2年契約」→https://holylandtokyo.com/2025/09/16/12756/
「MOP開発15年の道のり」→https://holylandtokyo.com/2025/06/30/12041/
「5000ポンド貫通弾試験」→https://holylandtokyo.com/2021/11/05/2349/
「上空で設定可能な小型貫通弾開発」→https://holylandtokyo.com/2020/10/29/444/


5月29日付Defense-Newsは、イランや北朝鮮で顕著に見られ、ハマスやヒズボラといった非国家主体や、露ウ戦争でも対ドローンで地下壕が広がりを見せるなど、世界中で進む多様な「施設の地下化」に対処するため、米国防省の高等研究機関DARPAが6月下旬締め切りで関連企業や研究機関に対し、爆弾の重力落下エネルギーで地下深くに力任せに突っ込ませて爆発させる従来の「貫通弾方式」の限界も踏まえ、
