対イラン戦の8週間を振り返りBrad Cooper海軍大将が
「電子戦」「ドローン防御」「地下目標攻撃」能力強化への投資を
この議会証言を取り上げた5月19日付DefenseOne記事は、同司令官の証言の流れや発言を詳細に取り上げているわけではなく、記者が気になる部分のみを断片的に紹介しているだけですが、
同司令官は8週間の対イラン戦を振り返り、「この8週間だけでも米軍は大きく変化してきており、(イラン製ドローンShahedを模倣した)米国製LUCAS無人機や対地攻撃ミサイルを重用し始め、
敵の無人機やミサイル等攻撃に対する安価な対処を見出している」と語っています。
そして共和党議員からの「どのような追加支援が必要か?」との問いに対し、「3点です。電子戦の強化、(敵の能力や戦術が非常に速いペースで変化し続けている)敵ドローン防御対策で最新・最先端を維持すること、そして地中深く埋められ強固に防御された目標への攻撃能力投資を増やすこと」と回答しました。
同記事によれば、Cooper司令官は前週に上院軍事委員会にも出席し、「誰もが地下に潜ろうとしている」等と同様の主旨で語っていたとのことで、米中央軍報道官は3点目の要望について「munitions that can destroy more hidden and hardened targetsが必要と司令官は要望した」と議会証言後に補足説明しています。
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DefenseOne記事の内容は以上で、それ以上の補足説明や分析は記事に含まれていないのですが、イラン戦を受けた最初の指揮官による要望なので、「まんぐーす邪推」で要望事項3点に関し以下にコメントさせていただきます
【電子戦能力の強化】
・イラン作戦投入の米軍電子戦専用機は現保有戦力の全てで、エスコート型の海軍EA-18 Growlersと、遠方から支援する空軍のEC-130 やEA-37 Compass Call
・ただ、例えばイラン作戦に約20機投入されているA-10(イランで2機被弾)に、急遽電子戦ポッド「Angry Kitten」の搭載試験を開始するなど能力補完の動きあり。同ポッドは前線部隊で運用プログラムが変更可能な装備で、3月にイラン戦でF-16に初搭載されたばかり
・F-15Eが撃墜され搭乗員の大規模救出作戦が必要になった事案もあり、地上攻撃パッケージ編成リスクが無視できなくなり、ステルス機増加を受けエスコート型電子戦支援機が空軍から消えた反省が、米軍内で出てきているのでは・・・
【ドローン等防御能力の強化】
・サウジのPrince Sultan空軍基地に展開していたE-3早期警戒管制機1機とKC-135空中給油機5機が、イランのドローン等攻撃で破壊され使用不能に
・無人偵察攻撃機MQ-9が24機喪失しているが、これにはドローン攻撃による被害も含まれていると模様
・具体的な米軍アセットへの被害には結びついていないが、イラン側ドローン脅威により中東地域への航空アセット展開制限を余儀なくされているのでは・・・
【地下目標攻撃能力の強化】
・対イラン開戦後、約13000個の目標を米軍が攻撃と発表されているが、イラン側施設が事前想定以上に「地下化で強靭」なことが徐々に明らかになってきたのでは・・・
・中央軍司令官による「誰もが地下に潜ろうとしている」発言が示すように、対イラン開戦後、イラン側が地下施設の構築や利用を加速し、「貫通弾」の在庫が不足し始めているのでは・・・
【その他】
・A-10攻撃機は空中給油時に「flying boom方式」のみ利用可能で、KC-135とKC-46からのみ給油可能だが、対イラン作戦での教訓から、救命救助機HC-130J Combat King II や特殊作戦機MC-130 Commando II や海兵隊KC-130からも給油が可能になるよう、「probe-and-drogue方式」給油に対応可能な改良試験を急遽実施中
要望3点に関連する過去記事
「空軍基地防御の検討演習」→https://holylandtokyo.com/2026/05/15/14182/
「海軍と空軍の電子戦機投資」→https://holylandtokyo.com/2026/05/13/14709/
「新型巨大貫通弾契約」→https://holylandtokyo.com/2025/09/16/12756/
「15年の準備」→https://holylandtokyo.com/2025/06/30/12041/
「5000ポンド新型弾」→https://holylandtokyo.com/2021/11/05/2349/


5月14日、対イラン戦開始後初めて、同軍事作戦を指揮するBrad Cooper米中央軍司令官(Commander of U.S. Central Command)が下院軍事委員会に出席し、議員からの「現場指揮官として、どのような支援が必要か?」との質問に答え、「電子戦」「ドローン防御」「地下目標攻撃」の3点を挙げて能力強化への投資を要望しました。