米陸軍レーダー情報で米海軍ミサイルが迎撃成功

パラオ周辺で実施中の演習 Vallant Shield 24で試験
陸軍のLTAMDS データで海軍SM-6ミサイルが
グアム島のミサイル防衛網構築に朗報とか

LTAMDS SM-6.jpg7月18日レイセオン社が、米陸軍の新型ミサイル防衛レーダーLTAMDS と指揮統制システム IBCSによって誘導された米海軍 SM-6が、アジア太平洋で実施中の演習Valiant Shield 24の一環として行われた試験で、目標迎撃に成功したと発表しました。

グアムの防空&MDシステム試験は2023年後半から個別装備単位で始まり、徐々にシステム関連説や融合試験に入っており、今後このような関連試験やテストのニュースが増えると予期されます。全体像については末尾の過去記事をご確認ください

シュミレーションと実機材を組み合わせて実施された本試験は、センサー(LTAMDS : Lower-Tier Air and Missile Defense Sensor)のシミュレーターが提供する迎撃対象目標データと、SM-6交戦制御ソフトからのミサイル制御指令を、陸軍の統合戦闘指揮システム(IBCS)にインプットする形で実施されました

LTAMDS SM-6 2.jpgレイセオン社は、本試験により、米海軍ミサイルSM-6が米陸軍防空ミサイルシステムIBCS 内で機能可能なことを証明でき、多様な脅威への対処選択肢を増やすことが出来ると成果を表現し、同社ミサイル部門社長は具体的に「インド太平洋軍にとっての実現可能な選択肢であることを確認できた」とも語っています

また同社長は、本試験は、国防省最優先事業としてグアムで構築中の防空&ミサイル防衛網の機能確認にも極めて重要な意味を持ち、対中国作戦の重要拠点となるグアム島の防衛を担う陸軍のMRC (Mid-Range Capability)発射装置、LTAMDS、IBCSと、SM-3およびSM- 6を運用するイージスシステムが一体運用可能なことを証明するものだとアピールしました
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LTAMDS SM-6 3.jpg西太平洋の島々を機敏に移動し、中国軍と対することを念頭に置く米軍にとって、西太平洋の島影に配備された陸軍地上レーダーの情報を活用し、陸軍の地上攻撃部隊からだけでなく、米海軍艦艇からも敵を攻撃(や迎撃)できれば好都合ですし、戦力投射範囲の拡大も期待できるでししょう。

グアムの防衛網整備につながるのであれば、大いに期待したいと思います

グアムのミサイル防衛関連
「グアムMD本格試験を2024年開始」→https://holylandtokyo.com/2023/08/22/4937/
「グアムMDを再び語る」→https://holylandtokyo.com/2022/06/07/3295/
「整備の状況と困難」→https://holylandtokyo.com/2022/04/05/3082/
「分散&機動展開可能型へ」→https://holylandtokyo.com/2021/08/23/2146/

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