ただし2027年度予算案に「関連予算ゼロ」のドタバタ
空軍長官「今後議会と提出済み予算案の修正について協議したい」
当初計画の26機導入構想がどうなるかには言及無しも
ただし、ドタバタの方針転換決定であったためでしょう、既に米議会に提出済みの2027年度予算案にはE-7関連予算が全く含まれていないことから、同空軍長官は議会に「E-7予算を確保するため2027年度予算をどのようにアジャストするかに関し、議会とご相談したい。空軍として(E-7導入を)2028年度予算以降ではコミットすることを約束しますから」と情けないお願いを行っています。
ボーイング製E-7早期警戒管制機導入のドタバタ経緯
●老朽化して稼働率が2~3割とも言われるE-3早期警戒管制機の後継として、米空軍は2023年にE-7導入を決定し、2024年に試作機2機の製造契約を約3900億円で締結
●しかしトランプ政権誕生後、旅客機であるB-737をベースにしたE-7では本格紛争下の厳しい脅威下で作戦遂行は難しいため、衛星情報を中心に各種センサー情報を融合してE-3機能を引き継ぐべきとの意見が台頭し、また同機の米空軍仕様への改修経費膨張もあり、2025年6月にヘグゼス国防長官がE-7導入中止を発表。国防省は、2026年度予算案からE-7予算を削除し、つなぎとして「E-2D早期警戒機を5機」追加導入する計画を打ち出していた
●この決定に納得できない米空軍幹部は同様の懸念を持つOBや専門家に働きかけ、米議会への働きかけを行い、結果として米議会が独自判断で、E-7計画継続方針とE-7予算約1600億円を2026年度予算にねじ込んだ
●ただ国防長官や空軍長官は引き続きE-7中止姿勢を崩さず、2027年度予算案も「E-7導入中止」方針に沿って「関連予算ゼロ」で作成され議会提出されていた。
●そんな中、米空軍は2026年3月、ボーイング社とE-7機購入に関する約3600億円の契約締結を発表。ただし購入機数は非公開。4月30日のMeink長官の下院証言が購入機数に関する初言及
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老朽E-3の稼働率低下は10年以上前から大きな問題でしたが、前政権下でも「ステルス性のない大型機E-7は対中国等の本格紛争で使えない」との問題意識から、「衛星情報を中心に各種センサー情報を融合してE-3機能を引き継ぐべきとの意見」は米空軍制服組内でも根強く、これが米空軍内で2023年まで後継E-7決定が遅れに遅れた原因であり、「経費膨張」も相まって、E-7導入再検討の背景にあります。
一方で、「衛星情報と各種センサー情報のネットワーク融合情報」だけで、背中に大型空域監視レーダーを搭載したE-3やE-7タイプの指揮統制機の役割が果たせるかと問われれば、「現時点では不可能」とヘグゼス国防長官も衛星運用のプロであるMeink空軍長官も理解していたと思いますが、ベネズエラやイラン作戦の様相を見せられると、前線の要求を拒否するのは難しかったのでしょう。
米国と足並み揃えてE-7導入を中止したNATOはどうするんでしょうか?
また、当初計画の26機導入は維持されるでしょうか? 予断を許さないと思います。私は・・・
E-7 導入決定・中止・復活?の動き
「阻止に固執」→https://holylandtokyo.com/2026/03/05/14045/
「導入復活か?」→https://holylandtokyo.com/2025/09/24/12851/
「国防省が導入中止決定」→https://holylandtokyo.com/2025/07/02/12025/
「導入中止を米政権が検討中」→https://holylandtokyo.com/2025/05/15/11591/
「E-7とE-3違い」→https://holylandtokyo.com/2023/03/30/4447/
「導入正式発表」→https://holylandtokyo.com/2022/04/28/3186/
NATOの動向:2023年11月に導入決定も・・・
「導入計画を断念:米の支援離脱で」→https://holylandtokyo.com/2025/11/17/13204/
「E-3後継にE-7 導入決定」→https://holylandtokyo.com/2023/11/21/5262/


4月30日、米下院の国防予算小委員会に出席したMeink空軍長官は、前政権下の2023年に米空軍が老朽E-3早期警戒管制機の後継機として決定していたE-7導入計画に関し、トランプ政権下の2025年に機体の脆弱性等から導入中止に転換したが、再度全般情勢を再検討した結果、E-7に継続投資する方向に戻すと述べ、(既にデモ機製造契約した2機に加え、3月に)追加で5機の製造契約を既に締結したと説明しました。