ドローン攻撃から米国内空軍基地を防御する検討演習PDBL

米空軍戦闘コマンドACCが担当部隊を決め年末まで演習を重ね手順書SOP作成
多様なドローン探知追尾とハードキル兵器企業参加を募り、演習で他側面から評価
各基地の多様な特性に応じた最適兵器組み合わせ提案し運用支援を
米国防省関連タスクフォースJIATF-401と成果共有し、他軍種成果も共有体制へ

3月10日付米空軍協会web記事が、世界的な課題となっている攻撃ドローンに対する防御体制確立に向けた米国防省の取り組み(タスクフォースJIATF-401)の一環として、米空軍戦闘コマンドACCが2026年末までに12回以上の米空軍基地防御演習(米国内基地用)を通じ、様々な企業の防御兵器システムを把握&評価し、多様な特性を持った空軍基地に適したドローン攻撃防御法を手順書SOPとしてまとめる計画で、参加企業募集を開始したと紹介しています

米空軍戦闘コマンドACCは2026年1月にND州Grand Forks空軍基地の第319偵察航空団(RQ-4無人偵察機運用部隊)を同演習担当の「PDBL運用部隊(Point Defense Battle Lab)」に指定し、同PDBL運用部隊は3月6日に情報提供要求書RFIを発表し、4月30日期限で「攻撃ドローンの探知・識別・追尾システム」技術と「攻撃ドローンのハードキル迎撃」技術を持つ企業に、情報提供と演習参加の募集を開始したとのことです。

以下では、まず記事が紹介する全体像を取り上げ、次に4月30日募集期限の提案要求概要をご紹介します。

3月10日付米空軍協会web記事は計画の全体像について・・・
●演習は今後月1回又は2回実施。探知追尾システムに集中した演習もあれば、7~10月の5回はハードキル兵器に特化した評価演習を予定

●米本土の空軍基地は、様々に異なる環境(周辺の市街地程度、電磁波環境、水源等への影響度、航空路有無など)にあり、防御運用に適するアセットやシステム構成も様々。
●多様な基地環境に適した防御体制構築のため、対処兵器システムの特性を多角的に評価把握し、各基地に応じた体制を基地司令官が選択可能となるよう手順書SOPを年末までに作成

●空軍のPDBLは米国防省タスクフォースJIATF-401の目指す取り組みの一環であり、他軍種の同種取り組み成果も含め、空軍の各基地司令官はJIATF-401の評価を受けたドローン対処技術の導入も可能。Amazon.comのような「Online Market」開設も検討中

●ドローン技術は日々ダイナミックに進化革新を続けており、PDBLは4月30日の提案締め切り以降も関連技術動向をフォローしつつ、毎月情報提案要求書RFIを発出し、継続的に新規技術と新規企業の参入を促進する
●PDBLによる同種演習は2027年以降も継続実施され、手順書SOPも継続的に更新される

次に4月30日締め切りRFIの提案要求概要は・・・
【共通する要求事項】
・輸送機に貨物パレット搭載可で迅速展開可
・最大兵士4名の小規模チームが2時間以内に設置可能
・極端な温度環境や最大風速時速50㎞の中で動作可能

【攻撃ドローンの探知・識別・追尾システム関連】
・グループ1のドローンを、2㎞以上の範囲で探知追尾可能で、小型ドローンを自律的に検知分類可能な技術を有する企業とシステム
・グループ2と3のドローンを、50mから500mの間で探知追尾可能な技術を有する企業とシステム

【攻撃ドローンをハードキル可能な兵器関連】
・車両搭載のコンテナ発射機使用の先進精密攻撃ロケット兵器(APKWS)
・口径30mm砲使用の空中炸裂弾兵器
・対ドローン射撃管制装置付きの小口径機関砲
・自律型の攻撃ドローン迎撃用ドローン兵器で3Dプリンタ使用可能兵器
・相応の有効射程を持ち、悪天候下で使用可能で群れ対処も可能なマイクロ波兵器
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末尾の過去記事で様々な角度から報道をご紹介してきた「ドローン対処」ですが、2025年半ばにヘグゼス国防長官の肝いりで「米国防省タスクフォースJIATF-401」が創設され、それ以前の国防省JCO(統合小型ドローン対処室:Joint Counter-small Unmanned Aircraft Systems Office)を上回る「権限」を付与し、「各軍種や国防省機関」の「縦割り」弊害除去に取り組んできたわけですが、

2月28日のイラン攻撃に端を発する、イランから中東湾岸諸国や同地域の米軍拠点への攻撃ドローンShahed等による打撃は、米軍とその同盟国の「目を覚まさせる」絶大な効果があった模様で、米側はなりふり構わずウクライナに頭を下げ、ウクライナ企業開発のドローン迎撃ドローンの緊急調達や支援要請を懇願している状況です。

代表的な攻撃ドローンShahedの航続距離は2000㎞と言われ、中国大陸から日本を攻撃するに十分な能力を持っています。Shahed級ドローン1機の脅威は小さくとも、同時波状攻撃を受ければ完全迎撃は不可能で、高価な戦闘機の離陸や帰還が不可能になる被害を飛行場に与えることは簡単です。日本の戦闘機命派の対応を見守りましょう

ドローンから基地や拠点を守る
「北米軍が緊急派遣チーム編成」→https://holylandtokyo.com/2025/11/25/13189/
「分散基地用の対処チームを」→https://holylandtokyo.com/2025/10/22/12984/
「航空管制と無人機センサー融合」→https://holylandtokyo.com/2025/10/10/12168/
「米国内の基地防御演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/

他国の状況
「麻薬犯罪組織のドローン脅威」→https://holylandtokyo.com/2025/12/04/13217/
「中国は3000社を巻き込み」→https://holylandtokyo.com/2025/05/28/11509/

ウクライナ最前線の状況
「ドローン迎撃ドローン最前線」→https://holylandtokyo.com/2026/03/17/14163/
「不可避な無人化進行」→https://holylandtokyo.com/2026/03/03/14057/

ウクライナとドローン関連記事
「目標撃破の8割が無人機で」→https://holylandtokyo.com/2026/01/30/13822/
「米企業はウで試験し備えよ」→https://holylandtokyo.com/2025/09/09/12705/
「クモの巣作戦」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/
「米専門家がクモの巣作戦を」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/
「音響ドローン探知」→https://holylandtokyo.com/2024/10/24/6355/

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