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英国防省がThales UK製兵器の試験成果を発表
高周波で電子部品を破壊し機能停止へ
開発費80億円で有効範囲は約1㎞。1発コスト20円
末尾の過去記事で「米軍」や「ウクライナ軍」の取り組み例をご紹介しているように、無人機対処は今や世界の軍隊の最重要課題となりつつあり、高度な誘導技術や人工知能を活用しながらも「安価」に世界中で大量製造され、日進月歩の進歩を続ける無人機やその群れ対処策には、対処兵器の有効性と共に「コスパ」も極めて重要な要素として各国が頭を悩ませているところです
今回、Thales UK社と契約して英陸軍が試験した兵器は、高周波電波を用いてドローン内部の重要な電子部品を熱破壊して無効化する仕組みで、英国防省は時期不明の試験で「1回の交戦で2つのドローン群を撃墜し、試験運用全体で100機以上のドローンの動きを止めた」とその効果をアピールし、併せて開発費が約4,000万ポンド(80億円)で、高周波発射コストが1発あたり僅か10ペンス(20円)程度だと強調しています
また、この電磁波指向性エネルギー兵器(Radio-frequency directed energy weapon)とも表現される同兵器は、最大射程距離が1㎞で、電波妨害等の電子戦兵器では対処できない標的にも効果的だと紹介し、更に軍事基地の防御だけでなく、所属不明の無人機により運用がしばしば影響を受けている一般空港を守る手段としても期待できると英国防省はアピールしています
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同じエネルギー兵器でも、レーザー兵器の場合は「雲」や「雨」や「霧」等の自然現象の影響で効果が大きく影響を受けますが、原理上、高周波兵器は「全天候型」との利点を持っています。
一方で電波妨害のように特定の周波数を狙い撃ちする電子戦とは異なり、高周波の指向性の程度、つまり標的の無人機と同方向を飛行する味方航空機への影響など、運用上の制約具合が気になるところですが、米陸軍や空軍でも基地防衛用システムが試験の最終段階にあると認識しているところ、急速に普及しそうな気配です
そういえば、2019年頃から実戦配備されたと言われている、「謎」の敵基地無効化用の飛翔型高周波兵器「CHAMP」のことも気になります。それと、日本はどうなってるの???
米軍での高周波エネルギー兵器
「対フーシ派に今すぐ欲しい」→https://holylandtokyo.com/2024/03/28/5678/
「陸軍が本格試験へ」→https://holylandtokyo.com/2023/11/20/5211/
「空軍群れ対処試験に成功」→https://holylandtokyo.com/2023/05/26/4663/
「空軍24年にプロトタイプ」→https://holylandtokyo.com/2022/07/14/3432/
「空軍群れ無効化」→https://holylandtokyo.com/2021/07/06/1942/
ウクライナの独創的発明。NATOも驚き
「超安価:音響ドローン探知システム」→https://holylandtokyo.com/2024/10/24/6355/
より攻撃な高周波兵器「CHAMP」
「電磁波で敵基地無効化」→https://holylandtokyo.com/2021/09/13/2225/
「米空軍が予算」→https://holylandtokyo.com/2016/03/29/7730/
「夢のようなCHAMP!?」→https://holylandtokyo.com/2011/12/09/9352/

