写真もなく性能や配備場所等は一切非公開
ウ軍幹部が 2024年12月から「射程2km以上」等と言及
昨年 12月と今年2月に関連発言をしたのは、ウクライナ軍の「commander of the unmanned systems forces」である「Colonel Vadym Sukharevskyi」氏で、発言内容は厳密に引用されていませんが、英語で「trident:三又の槍を意味する」、ウクライナ語で「Tryzub:トライズブ」とのレーザー兵器に関し、昨年 12月には「高度2km以上の無人機撃墜試験に成功した」と発言し、今年2月には上記表現を含めて「実戦配備済」と述べ、一部報道では「イラン製のシャへド無入機のような低空飛行標的に対し戦場で使用中」と解説されているとのことです
このレーザー防空兵器に関してはこれ以上の情報はなく、写真も細部性能も配備場所も配備部隊も迎撃実績等も明らかではなく、ウクライナ国防省の技術関連部署の報道官も「トライズブ兵器システム、またはその開発に関して、いかなるコメントもできない」との姿勢だ、とDefense-News 記事は説明しています
その他3月19日付Defense-News 記事は
●ウクライナ軍の主張を独自に検証することは現時点で不可能。ウ軍の主張する兵器がどの程度まで成熟し、実験段階で試行運用しているのか等も不明。
●発言した大佐の所属部隊は2024年に創設されたはかりで、「無人機の群れ技術」開発にも関与しており、先端技術開発を担っていることは確か
●ウ軍は敵の「航空機」撃墜に成功したと主張も、同兵器システムが1個のみ存在し、機動性は限定的である可能性も十分ある
●一般にレーザー兵器は発電と冷却装備のため大型になるが、専門家によると、ウ軍のレーザ一兵器は、トラックの荷台に収まるサイズの可能性もある
●業界の専門家は、ウの軍需産業基盤を考慮すれば、同兵器がウ独自開発の可能性は十分にあり、ウの優秀な技術者がレーザー市場の市販品組み合わせで装置製造は可能かもしれないし、数少ない公表性能の範囲なら妥当性もあるとコメントしている
世界の同種レーザー兵器開発に関し同記事は
●ドイツ・イスラエル・米国もほぼ実用段階にある地上配備型レーザー兵器を保有し、トルコや豪州等の国も独自に開発に取り組んでいる
●英国は2024年4月にレーザー兵器をウに送る意向を示唆したが、1か月後に英国防相が「まだ準備が整っていない」と撤回し、完成予定日は2027年だと言及している
●2022年にロシアは副首相が、5秒以内に最大5キロ離れた標的を破壊可能な新レーザー兵器「Zadira」をウクライナに配備と主張も、米もウクライナも「使用された兆候はない」と否定
●韓国は、射程距離 2~3kmの韓国製レーザー兵器「Skylight」が、車両搭載コンテナに収納され2024年 12月から配備開始と発表し、日本は4年以上開発を続けてきた独自のトラック
搭載型 10キロワットレーザーを公開
/////////////////////////////////////////////////////
蚊やハエのごとくに湧いてくる「ドローン」対処に、開発に成功すれば「安価に」「弾薬補給の心配なく」使用可能なレーザー兵器は、世界中の軍が待望の兵器ですから、世界中で開発中なのでしょうが、「いつまでたっても、完成まであと5年」状態が10数年続いています
「有事の底力」でウクライナが画期的成果を上げているなら、ぜひ西側諸国と共有し、更に兵器としての成熟度を協力して高められれば・・・と願います
最近の各種レーザー兵器状況記事
「イージス艦搭載HELIOS」→https://holylandtokyo.com/2025/03/14/10781/
「海HELIOSと陸Leonidas」→https://holylandtokyo.com/2024/03/28/5678/
「湾岸諸国がイスラエル製に」→https://holylandtokyo.com/2025/03/10/10859/
「ウの迅速技術導入」→https://holylandtokyo.com/2025/03/07/10847/

