毎年議会報告の「戦闘機部隊構造に関する年次報告書(fighter force structure report)」
10月16日に議会提出した報告概要を20日に記者説明
あくまで米空軍の情勢見積を基礎に算定した「これだけ戦闘機が欲しい」機数
ただ予算や企業製造能力リスクを厳しく見積り、2035年機数は昨年レポートより50機減
この年次報告書は、あくまで米空軍の脅威判断や予算や製造能力推計に基づいて作成された、「予算等の現実を加味しつつも、あくまで米空軍の希望する将来像を米議会にアピールする狙い」を持った「見積り」であり、今後の予算的裏付けや開発案件の成果を保証するものではありません。「未充足の要求(Unfunded Requirement)」や「必要戦闘力(Required Force Structure)」と表現される性質の「希望計画数報告書」です
Tabor計画部長は記者団への「口頭説明」で
(同日付米空軍協会web記事によれば)
●A-10を除く戦闘機部隊は、現在およそ「F-16が45%、F-35が30%、F-15が15%、F-22が10%」も、2035年には「F-15と16で40%、F-47と22で20%、F-35が40%」になる
●言い換えれば、2035年には、戦闘機の約60%がステルス戦闘機(第5および第6世代)で占められる
●昨年発表の同報告書では、2026年保有の総戦闘機数1,271機に対し、2030年までに1,369機とすることを目標にしていたが、今年の同報告書の2035年総機数は1509機で、2030年見積りから140機上昇する。追加140機はF-35、F-15EX、F-47で構成される(各機種の具体的増加機数の説明なし)
●この報告書の作成は、対イラン作戦開始の前から基礎データ収集が開始されており、同作戦での損耗や機体疲労の蓄積等は反映されていない。また脅威の変化見積りや、予算確保面や企業製造能
力面の見通しも主観的な推定で行われていることから、将来的に報告書の内容から実態が変化する可能性が高い
●例えば、空軍は戦闘機の適切な更新には毎年72機の導入が必要と考えているが、2027年度予算には計62機(F-35を38機、F-15EXを24機)しか含まれておらず、予算的制約や企業の能力面の影響を受けることになる
●米空軍はF-16新型機(仮称F-16G)購入を検討中だ。しかし直ちに決断が必要とは考えていない。2028年度予算検討段階では判断は無く、それ以降になるだろう。F-16新型機に求める性能レベルには様々な考え方があり、じっくり判断する必要がある。
●無人ウイングマン機CCAは2032年までに500機導入を目指しているが、今開発中のCCAは将来必要な有人戦闘機に関する米空軍の計算に影響を与えるものではない。将来CCA導入が有人戦闘機数の削減につながる可能性はあるが、今開発中のCCAでは起こりえない。将来の話だ
●米国防省が複数年契約による調達権限拡大を米議会と交渉しているが、これが可能となれば業界の財政的安定感が高まり、戦闘機生産拡大が容易になるため、例えばF-35やF-15EX契約に大きく影響を与える可能性がある。
この年次報告書に対する報道やSNS上での分析など
●米空軍は2025年の同報告書では、2035年時点の戦闘機総数を「1558機」と報告しているのに、2026年報告書では「1509機」と下方修正しているが、これは中露等の脅威が低下するとの見積りから来るものではなく、予算確保面や企業の開発&製造能力面でリスクが高まるとの見積り修正を受けての結果
●Tabor計画部長が、2025年報告書の2030年総機数と、2026年報告書の2035年総機数を比較し、「140機」増加が必要と「奇妙」な比較で説明しているのは、2026年報告書に様々な不確定要因から見積機数を公開すると後々収集困難になりそうな2030年総機数見積りが含まれておらず、仕方なく2025年報告書の数字を比較対象に持ち出し、中露の脅威増を無理やり主張したのではないか。
●2026年年次報告書に「2030年戦闘機数見積」が無い推定「理由」は・・・
→F-47の迷走:1機が400億円レベルになり、計画全体の再検討や見直しが必至となっている現状で、2030年の状態予想を現時点で出せない
→無人機CCA導入の影響:Tabor計画部長は「開発中のCCAは有人戦闘機数に影響を与えない」との前提で語っているが、上記F-47のコスト爆増等もあり影響は不可避で、2030年時点の予想は出しづらい
→F-35A「Block 4」の深刻な遅延:ロッキード社の同バージョン開発が停滞状態で予測不可能なのが実態で、2030年時点の見積りが不可能
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最後に取り上げた、戦闘機を巡る「推定理由」が、現状の米軍戦闘機を巡る環境を端的に表現しています。
当然、「まんぐーす」が反対する日英伊共同開発GCAPも同種の環境下にあり、「まんぐーす」が「武運長久」と「長期安定」を期待する「高市政権」の、足を引っ張る材料になり始めています。日本のGCAP関係者は、その責任を感じているのか!・・・と問いたいです
米空軍の戦闘機を巡る最近の動向
「新型F-16G導入検討⁉」→https://holylandtokyo.com/2026/09/18/15684/
「嘉手納用F-15EX出荷も」→https://holylandtokyo.com/2026/09/14/15606/
「エンジン業界に挑戦状」→https://holylandtokyo.com/2026/08/17/15368/
「AI搭載無人F-16が・・」→https://holylandtokyo.com/2026/08/18/15389/
「F-15関連20兆円包括契約」→https://holylandtokyo.com/2026/09/07/15551/
「在韓大型飛行隊検討」→https://holylandtokyo.com/2026/10/06/15787/
「在日米空軍機種更新計画」→https://holylandtokyo.com/2024/07/05/6097/


10月20日、米空軍司令部の計画部長であるDavid Tabor中将が、16日に米議会に提出した毎年恒例の「戦闘機部隊の構造に関する年次報告書(fighter force structure report)」の内容を記者団に「口頭説明(資料配布無し)」し、添付の円グラフが示すように、2026年時点の機種別構成比率が2035年時点でどのように変化するかについて、報告書の内容を説明しました。
