選定を経て2023年からNG社が2026年配備目指し開発中も
「同等かそれ以上」の提案企業募集
HARM能力+多様な目標攻撃力+安価に大量製造可を
SiAWは、本件を取り上げた6日付米空軍協会web記事が、「敵の防空網を突破し、重要かつ移動可能な標的撃破のための超音速空対地ミサイル」、「空軍が20年以上追求してきた兵器体系を構成する重要要素」、「今保有していればイラン攻撃で大きな需要が見込まれ、対中国作戦で非常に価値の高い種類の兵器」と表現する重要兵器で、その開発を約1年ぶりにご紹介します。
SiAW(Stand-in Attack Weapon)とは、
●米空軍が20年以上追求している、空対地攻撃兵器システム構成を担う兵器で、高価な精密誘導Stand-Off兵器と組み合わせ、ステルス機の内部兵器庫から発射可能な比較的安価で大量生産可能な空対地ミサイル兵器
●NG社は現在、高速対レーダーミサイルHARM(AGM-88)の後継で、同盟国にも提供予定のAARGM-ER(Advanced Anti-Radar Guided Missile-Extended Range)をベースに開発中で、2025年11月に初発射試験、同12月にF-16からの機体分離&発射試験を終了しているが、空軍は以前から企業間競争環境を追求し、複数企業による開発模索
●SiAWは基本的に、HARMと同様の高速対レーダーミサイルだが、空軍は攻撃対象目標として、指揮統制施設、弾道および巡航ミサイル発射装置、電磁波妨害&GPS妨害装置、衛星攻撃兵器等の
高付加価値目標や、移動目標を想定している
●SiAWの詳細な要求性能は非公開も、AARGM-ERの飛翔速度マッハ4、射程180nm(約340㎞)を上回る性能を目指していると推定されている
●4日の提案要求には、SiAW製造数を500発、1000発、1500発とした場合の希望価格が明示されており、年間600発の製造能力が応募要件とされている
●また要求には、射程距離の更なる延伸可能性、(敵からの様々な精密誘導妨害に対応可な、複数センサーと慣性航法システムを含む)先進的ターゲティングや妨害対処能力、既存および将来アセット(F-35、F-16、F-47、B-21)の内部兵器庫に搭載可能な大きさであることが含まれている
Mark Gunzinger退役大佐(ミッチェル研・担当部長)コメント
●精密誘導Stand-Off兵器は亜音速飛翔で目標到達に30分以上必要も、SiAWは超音速なため数分で到達可能で、移動目標にも対処力が高い
●小型でステルス機内部に格納可能で、母機のステルス性を阻害せず、母機の突破力を維持可能
●空軍はSiAW開発当初から複数ベンダー体制を希望し、企業間競争によるコスト削減を狙っていた
GSC副司令官Armagost中将の関連発言(2月@AFA’s Warfare Symposium)
●敵防空能力制圧(SEAD)任務を、従来のF-16やF-35以外にも広げ、あらゆる航空アセットに
SEAD能力を具備させ作戦運用の柔軟性を確保したい
●この柔軟性確保のため、多様な空対地兵器を搭載可能にする「Universal Armament Interface」導入を予算案に組み込んだ。まずB-21に装備し、様々な空対地兵器(SiAW、AARGM-ER、JASSM、LRASM、JDAM、Small Diameter Bomb I & II、Joint Strike Missile)に対応可能としたい
////////////////////////////////////////////////////
対イラン作戦で中国は、米軍が各種精密誘導兵器や弾薬や防空ミサイルを消耗することを期待しており、米軍の弾薬不足が確認できれば、台湾作戦への敷居が低下するのでは・・・と懸念する専門家もあり、日々各種メディアを通じて目にする「精密誘導攻撃の映像」の影響も気になるところです
様々は背景を経て決断されたであろうイラン攻撃ですが、米軍幹部は「弾薬ストック」の「急激な減少」が、気になって仕方ないのでは・・・と思います
SiAW関連の記事
「2026年運用開始目指し」→https://holylandtokyo.com/2025/01/22/6591/
「B-21初飛行で観察された 12点」→https://holylandtokyo.com/2023/12/01/5284/
「SoAWと絡め SiAWに言及」→https://holylandtokyo.com/2022/09/09/3624/


3月4日米空軍は、2023年からNorthrop Grumman社(NG社)と契約し、2026年中の配備を目指し開発を進めているSiAW(Stand-in Attack Weapon)に関し、NG社開発中の兵器と「同等かそれ以上」の能力を持つミサイル開発企業の募集を開始しました。なおNG社は、L3Harris社とLockheed Martinとの提案競争を経て契約を獲得しています。