ガザ停戦受け、米国とイと湾岸産油国との連携機運復活か
サウジへの F-35売却合意と同日にサウジ通過B-52がUAEドバイ上空飛行
ドバイ上空でF-35、F-16、F-15E、A-10、海軍P-8もデモ飛行
F-35とF-16は曲技飛行チームが張り切って参加
中東特有:中国やロシア企業もしっかり参加の航空ショー
隔年で開催される今年の同航空ショーに米空軍は、上記 B-52爆撃機の他、F-35戦闘機とF-16戦闘機のデモ飛行チームを派遣して派手なアクロバット演技を披露し、更にF-16と並んで場所非公開
の中東地域に派遣されている F-15E戦闘爆撃機やA-10 攻撃機、また米海軍のP-8 哨戒機までもデモ飛行を行ったとのことです。
ドバイ航空ショーは、西側軍需産業のみならず、対立するロシアと中国の企業も多くの展示スペースやデモ飛行を披露し、世界中の軍事・防衛産業幹部が一堂に会する数少ない国防装備品見本市として以前から知られていましたが、前回航空ショー(2023年 11月13~17日)は「2020年アブラハム合意」の機運で、イスラエルを含む西側と湾岸産油国が、対イラン対イスラム過激派での「団結」を象徴するイベントとなることが予期されましたが、
航空ショー直前の 2023年 10月7日にハマスの奇襲攻撃で始まった「イスラエルVSハマス紛争」が深く影を落とし、イスラエルとUAE&バーレーン、更にエジプト、ヨルダン、モロッコやスーダン等にも拡大した「アブラハム合意:国交樹立」のモメンタムが消し飛んでしまったイベントとなりました
それが今回2025年の航空ショーでは、「ガザ停戦」直後の微妙な雰囲気の中ではありますが、11月17 日にトランプ大統領が表明していたサウジへの F-35 売却合意もあり、「2020年アプラハム合意」のモメンタム復活を米側は期待したと考えられ、そのモメンタムを後押しするような米軍
の存在感を誇示する米空軍航空戦力大量投入となりました
F-35はともかく、B-52やF-16やF-15EやA-10やP-8を米側が中東諸国に売り込む対象とは考えにくく、この大規模アピールは湾岸中東地域での米国の存在感をアピールしつつ、大きな視野で見れば、「2020 年アブラハム合意」枠組みでの、イランやイスラム過激派対処をプッシュするものだろうと想定いたしました
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「2020年アプラハム合意」から「2023年 10月7日のハマスによるイスラエル攻撃」の間には、B-52を湾岸諸国約10か国の戦闘機が交代しながらエスコートし、アラビア半島を周回飛行する示威活動が何回か見られましたので、そのような活動も復活するかもしれません
なお末尾に、お好きな方に捧げる、同航空ショーでのロシア製の(自称)第5世代機「SU-57」のデモ飛行映像を添付いたします
B-52 による中東関係国と連携した示威飛行など
「イスラエル含む 13カ国Fが護衛」→https://holylandtokyo.com/2022/11/17/3957/
「9か国戦闘機とアラビア半島周回」→https://holylandtokyo.com/2022/04/06/3105/
「UAEが視察:イスラエルで大空軍演習」→https://holylandtokyo.com/2021/11/12/2408/
サウジにF-35売却合意
「米大統領府で合意」→https://holylandtokyo.com/2025/11/19/13238/
「2022年UAEへのF-35売却交渉とん挫」→https://holylandtokyo.com/2022/01/04/2533/
約5分30秒の映像:Incredible Sukhoi Su-57 display – Dubai Airshow 2025


トランプ大統領とサウジ皇太子がホワイトハウスで F-35 売却合意を発表したと同日の11月18日、UAE で開催中の中東最大の航空兵器見本市であるドバイ航空ショーに、米本土からスペイン航空基地に展開中のB-52爆撃機が遠路はるばる飛来し、ドバイの会場上空を高度を下げて飛行し、その威容が来場者の度肝を抜いたと 11月 20 日付米空軍協会 web 記事が報じています
