Anduril社の対処キット装備で約30日の集中訓練後に
完全な素人寄せ集めチームでも運用可能な模様
米国内基地の要請に応じ緊急展開を
同Defense-News記事や11月6日付米国防省広報メディアDVIDS記事を総合すると、無人機に関する知識ゼロのコロラド州Peterson宇宙軍基地で勤務する職種や所属部隊がばらばらの軍曹クラ
スが、9月下旬にフロリダのEglin基地に集められて特別チームを編成し、
Anduril社の対処装備を確認&試験するC-sUAS実験「Falcon Peak 25.2」を通じて基礎から同キットを約3週間で学び、その後寒さ厳しいNorth Dakota州Minot空軍基地(爆撃機の基地)で10月21日から27日に実施された能力評価演習に参加した模様です。
能力評価は、装備キットのパッキングや輸送機への搭載を含めたEglin基地からMinot基地への機動展開要領、Minot基地での装備展開設置要領、基地周辺政府機関との連携枠組みを含めた基地防
衛計画の把握、基地防衛組織との連携要領確認、対ドローン戦闘の実施、そして作戦終了後の再展開準備とコロラド州への再展開までを対象に実施され、
「対ドローン戦闘」では、数日間にわたる評価期間に、様々な侵攻態様で接近する100機以上の小型ドローンを阻止することに成功したとのことです。
Anduril社の「C-sUAS:Counter-small UAS fly-away kit」構成は・・・
・「Heimdal mobile sensor trailer」:目標捕捉と追尾用の360度熱光学センサーとレーダー
・「Wisp」:AI装備の広域360度赤外線探知センサー
・「Anvil drone interceptors」:目標迎撃用の体当たり型ドローン
・「Pulsar」:電磁波探知&エフェクター:電磁波検出・分析・電磁波による目標無効化
両記事記載のキット解説
●北米軍司令官コメント「能動的及び受動的な検知機能と、周辺への被害が少ない、非運動エネルギーと低運動エネルギーの撃破オプションをOneパッケージに:active and passive detection capabilities and low-collateral non-kinetic and low-kinetic defeat options」
●侵入する小型ドローンを検知識別して無効化するため、「センサー」と「エフェクター」による全方位ネットワークを形成。重層的な対処でドローンを検知・追跡する防御網を形成
Minot基地司令官が小型ドローンキットを運用するため
●基地司令官にドローン対処権限を与える連邦法規(10 USC 130i)との整合確保や、運輸交通省および連邦航空局FAAとの基地防衛活動調整が求められた。
●このためMinot基地は、北米軍の強力な支援を得つつ、連邦法規への適合のため、2019年から基地防衛計画の修正に着手し、更新を完了した
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米軍の前線部隊や米軍の内外基地を小型ドローンの脅威から防御する取り組みは、各軍種がそれぞれに開始しましたが、5-6年前から国防省が国防省JCO(統合小型ドローン対処室:Joint
Counter-small Unmanned Aircraft Systems Office)設置して統括し、様々な手段や目的や周辺への影響毎の分野の装備開発や民間技術の取り込みを行ってきました
2025年に入り、衝撃的なウクライナによる対露「クモの巣作戦」やイスラエル工作員によるイラン原子炉周辺への破壊工作を受け、ヘグゼス国防長官が国防省JCOを発展整理し、より強力な小型ドローン対策検討タスクフォース(JIATF 401:Joint Interagency Task Force 401)を設置したところです。
上記でご紹介したキットや特別チームはその一つの成果で、他にも州軍に同様の特別チームを編成する試みも報じられており、それぞれの関係性は良く分かりませんが、これまで「聖域」と見なされていた米本土の基地でさえ、危機感を持って対応が急がれているところです。
極東の某国空軍では、次世代戦闘機の3か国共同開発案件にすべてが振り回され、航空基地防衛など「2の次、3の次」になっているようですが、本当に残念で情けないことです・・・
小型ドローンから基地を守る
「分散基地用の対処チームを」→https://holylandtokyo.com/2025/10/22/12984/
「航空管制と無人機センサー融合」→https://holylandtokyo.com/2025/10/10/12168/
「米国内の米軍基地防御机上演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/
「中国は3000社を巻き込み」→https://holylandtokyo.com/2025/05/28/11509/
ウクライナとイスラエルの革新的兄弟作戦
「防研のクモの巣作戦解説」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/
「イ工作員の防空網破壊が口火」→https://holylandtokyo.com/2025/06/23/11962/
ウクライナで試験していないなら、その装備は不十分!
「米空軍高官:ウクライナで試験せよ」→https://holylandtokyo.com/2025/09/09/12705/
「米がドローン支配狙うも」→https://holylandtokyo.com/2025/07/28/12266/


11月11日付Defense-Newsは、米本土の米軍基地を小型ドローン脅威から防衛するため、米北米軍が11名で編成されるチームを編成し、Anduril社のセンサーと対処兵器で構成される装備キット「C-sUAS:Counter-small UAS fly-away kit」を与え、約30日間の完熟訓練と実戦想定の能力確認演習を経て、北米軍司令官が同特別チームと防御装備キットの能力を高評価して承認したと報じています。