米首脳会談後にトランプ大統領が発表
6月に米国防省が建造能力不足から再検討発表も
同日行われた米首脳会談後の記者会見でトランプ大統領が、「米国が豪州に原子力潜水艦を提供するとの計画を保証する」、「豪州に提供する原潜が建造プロセスにある」と明言したことで、米国
防省による計画「再検討」発表が招いた不透明さが解消されたと報じています
トランプ大統領は会見で、「首相と協力して全てがセットされた。我々は長期間にわたり懸命に本件に取り組み、今プロセスを開始した。迅速かつ順調に進んでいる」と表現し、当初の計画に大きな見直しはないとも語った模様です。ただ、「全力で建設を進めており、これ以上の説明はないはずだ」と細部への記者の突っ込みを遮断しています
復習で 2021年9月の「AUKUS agreement」での原潜提供計画は・
●防衛省資料(2024年9月作成)によれば
① 2027年から米英の攻原潜を豪州西岸の海軍基地にローテーション展開
② 2030年代初頭に米国からバージニア級攻撃原潜を3~5隻購入(21日付DefenseNewsは3隻)
③ 英次期攻撃原潜の設計をベースに英共通のSSN-AUKUSを3国で共同開発し、同原潜は、豪英の2か国が保有(上記同記事では40年代に同左新型原潜を5隻に提供)
・・・だったのですが、6月11日に米国防省報道官が突然、「前政権の合意がトランプ大統領のアメリカ第一主義政策と合致しているかを確認する一環として、AUKUSの見直しを行っている」と明らかにし、「見直し」に誰が関与し、いつ終了するか等について言及せず、「米軍と米国の軍需産業の状態を懸念している」との説明していたため、4か月以上にわたり米英京間に冷ややかな隙間風が吹いていたところでした。
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6月に国防省報道官が明らかにした「AUKUS 計画の再検討中」には、「米国第1主義」と「米国の潜水艦建造能力不足」が背景にあります。
例えば、米国防省No3の Elbridge Colby 政策担当国防次官は、議会承認前の証言段階(3月)でAUKUSへの疑念を表明し、米国が原子力潜水艦を増産するのは難しく、豪州に売却する余裕はないとし、「仮に(豪州を優先して)米軍人たちが弱い立場に置かれるようなことになるなら許容できない」と、「米国第一主義者」としての立場を明確にしていたところです
また、2030年代半ばまでに国防費をGDPの約2.4%に増額する計画を打ち出している豪州に対し Colby 政策担当次官は、もっと迅速に増額すべきだと主張し、米側は豪にGDP比3.5%への引き上げを要望してる模様です。
米国の潜水艦建造能力が急に増強可能なはずもなく、細部への質問を封じるような今回のトランプ大統領の「計画を保証する」発言が、実際にどのように実行されるのか気になるところです。
AUKUS での様々な取り組み
「米が豪への原潜提供再検討」→https://holylandtokyo.com/2025/06/16/11838
「宇宙監視レーダーDARC 初号機設置」→https://holylandtokyo.com/2025/03/17/10911/
「E-7の能力強化」→https://holylandtokyo.com/2023/07/21/4871/
「豪がB-21爆撃機購入も一時検討」→https://holylandtokyo.com/2023/05/15/4588/
「量子技術の軍事への応用」→https://holylandtokyo.com/2022/01/14/2577/
「AUKUS締結発表」→https://holylandtokyo.com/2021/09/20/2255/


10月20日付各種メディアは、2021年9月にバイデン政権下で合意された米英豪間の「AUKUS合意」に基づき、豪州に攻撃型原子力潜水艦を保有させる計画に関し、今年6月に米国防省が米国の潜水建造能力不足等から「計画を再検討中」と明らかにして「AUAUS」の存在目体を揺るがせる事態となっていたところ、
