中東での戦いから桁違いの死傷者予期の対中国戦訓練
台湾有事3週間で中束 20年の戦いの半数の死者予想
膨大な患者に医師不在下で看護師等が究極の選択を
中東対テロ戦争 20年間の死者数の半数にあたる約3200名もの被害予想(CSISのWar-Game 結果)もある台湾有事の厳しい戦いに備え、同部隊が限られた人貝の看護師や衛生技術者(medical technician)で、いかに膨大な負傷者医療に対応を試み、どのような討をしているのか等について取り上げていますので、2023年6月に同部隊をご紹介した内容も振り返りつつ、ご紹介いたします
2023年6月27日付ブログ記事の要旨
●本格紛争が予期される台湾有事では、中東での戦いに比し、圧倒的に多数の死傷者の発生が予想されている
●また、例えば日本から米本土へ空輸するには、カタールから独基地へ空輸する時間の約3倍の11~12時間のフライトが必要
●これら条件を踏まえると、患者空輸医療部隊がC-17輸送機で通常行う「看護師2名と衛生技術者3名」又は「看護師 2名と衛生技術者3名」体制での対応は困難で、「看護師1名と衛生技術2名」で対応せざるを得ないと見積もられている
●空輸中、通常「看護師と衛生技術」チームは、無線で地上の救急医療専門の医師や看護師の助言を得ながら機内で対応するが、本格紛争時には通信途絶も予期されることから、「看護師と衛生技術」チームへの医療上の判断の権限移譲が検討されている
●また人手不足対策のため、軽症患者の「同意」を得た上で、軽症患者に重症患者の「止血」措置支援を依頼する訓練や、他の搭載物資(兵員、弾菜、物資等)と「患者を混載」する要領等も検討している
●地域の同盟国軍にも患者空輸部隊は存在するが、本格的長距離空輸に対応可能な部隊は米軍のみが保有。しかし少しでも支援を得られるよう、同盟国軍との共同訓練も模索開始。ただ、同盟国側から患者輸送の依頼を受けた場合の対応は難しい判断となる
REFORPAC演習関連状況を8月5日付米空軍協会 web 記事は
●米軍の太平洋地域での作戦は、戦力を太平洋の島々に分散&機動して戦うことを基本としていることもあり、また激しい戦闘が予期されることから、中東では患者収容搬送までの時間が数時間だったがものが、数週間になる可能性もある。
●ウクライナでも現在課題となっているが、患者搬送の遅れは、抗生物質耐性菌による感染症、血液供給の不足、そして血液循環を遮断する止血帯の長期使用による手足の死につながる可能性を高める。これに中東では可能だった専門医療班との連絡途絶が重なると、状況はさらに悪化する
●REFORPAC演習では、長距離通信ネットワークが遮断された状況を想定し、機内の「看護師と衛生技術」チームが(事前に設定された権限移譲の規程の範囲で、)臨機応変な処置が求められる場面が設定され、手足の切断やdamage control手術実施の決断を迫られた
●また演習では、「看護師と衛生技術」チームが前線飛行場を模擬した現場で、患者を選別し、誰を空輸し、誰を残すかを、(事前に設定された権限移譲の規程の範囲で、)決定する訓練も行われた
●米空車司令部の医療訓練担当者は、部隊レベルの訓練では、30~40人の模擬患者を準備した大量負傷者訓練は準備不可能であり、米空軍が今回計画した史上最大級のREFORPAC演習は、様々な面で訓練効果を高め、教訓収集面でも大きな役割を果たすと語っている。
●中東作戦では、少数の患者に十分な医療スタッフを割り当てて空輸対応していたことから、新人の教育は大部分が 0JT(現場での実地体験教育)だったが、アジア太平洋での本格紛争には、そのような準備で要員を派できない。バーチャルリアリティーや映像を活用した事前教育機材の開発も急務である
●演習では、日本、豪州、加、NZのカウンターパートと共に、米空軍の患者空輸療部隊が大規模負傷者発生を想定した共同訓練も実施され、同時に各国の関連装備品を相互に体験使用する試みも行われた。
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撃墜や撃沈された航空機や艦艇乗員を救出する「救難救助体制」の不備や、ご紹介した「救急医療や負傷者輸送能力」の不足は、有事になって表面化した場合、米国世論に大きな影響を与え、米軍の参戦継続を左右する極めて重要なファクターになると思います。
同盟国の負傷者空輸にまで心配してくれている米空軍の「患者空輸医療隊」に甘えることな<、日本もこれを契機に、何ができるか、何をすべきかをチェックすべきだと思います
患者空輸医療Aeromedical evacuationチームの苦闘
「対中国に備えた取り組み」→https://holylandtokyo.com/2023/06/27/4772/
関連で対中国作戦の「救難救助体制」不備
「救難救助検討は引き続き迷走中」→https://holylandtokyo.com/2023/05/23/4592/
「救難救助態勢が今ごろ大問題」→https://holylandtokyo.com/2022/07/15/3463/
「米空軍トップが語る」→https://holylandtokyo.com/2022/09/08/3614/

