新長官が士官学校卒業生に「太平洋が君達世代の戦場」と

5月13日就任のMeink空軍長官が初の本格演説
「Indo-Pacific will be your generation’s fight」と
空軍士官学校に陸上航法と車両集団移動法の科目追加

5月29日、米空軍士官学校USAFAの卒業式が行われ、同16日に就任したばかりのTroy E. Meink新空軍長官が公の場で初めて演説を行い、卒業生909名(入学時は1113名。18%が途中で退学。約1/3が女性卒業生。内93名が宇宙軍へ。また内14名が他国出身。更に卒業生の約半数が様々なコースのパイロット訓練に進む)に対し、「インド太平洋が君達世代の戦いの場になるだろう」、「我が国が過去経験した中で最も強力な戦力を投入しなければ、我々は成功できないだろう」と表現し、

米国が20年以上に渡り関わってきたアフガニスタン、イラク、シリアでの戦いから目を移し、アジア太平洋地域で中国との争いに挑む必要があると述べ、米軍が他大国との競争へと軸足を移したことにより、ステルス性、速度、耐久性に優れた兵器の開発、そして柔軟性と欺瞞を重視した戦術の開発が急務であると訴えました。

また、空軍士官学校長であるTony Bauernfeind中将(前職が米空軍特殊作戦軍司令官)は、全学生を対象に、陸上航法や車両での集団移動などの基礎的地上戦闘技能を学ぶ3日間の野外演習を各学期ごとに初めて導入したことに触れつつ、「これはほんの始まりに過ぎない」、「急速に変化する地政学的情勢の中で指揮を執るには、厳しい条件下で行動する戦いの基礎的能力に立ち返った訓練が不可欠である」と述べ、

卒業生の意識改革を求めるとともに、「皆さんが継続的に従来の手法を厳しく批判的に再評価し、未来の改革に結びつけることが求められている」と述べ、フレッシュな思考で新たな道を切り開くことに期待すると語りかけています
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本件を取り上げた5月29日付米空軍協会 web 記事は、国防費削減の空軍士官学校への影響として、同校が支出抑制のため民間人教員の削減を検討しており、この影響で志望者が多く空軍の特性から重要とされる工学部の教員削減の恐れがあるとの別報道を紹介し、

校長のBauernfeind中将が取材に対し、具体的に特定学部の変更を指示したわけではないが、士官学校は「新たな財政環境で運営する準備をしなければならない」と回答したと伝えています。何か本末転倒のような気がしますが・・・

なお、空軍士官学校卒業生は、パイロットコースの卒業生は10年間、その他の卒業生は少なくとも8年間の軍務空軍勤務が義務付けられるとのことです。

Troy E. Meink 新空軍長官について
宇宙関連のプロでNRO の No2だった人物
「空軍長官候補 Meink 氏」→https://holylandtokyo.com/2025/01/20/10635/

米軍士官学校の苦悩
「士官学校でのセクハラ問題議論」→https://holylandtokyo.com/2019/04/19/6764/
「性犯罪対処室が捜査対象」→https://holylandtokyo.com/2017/07/11/7239/
「出て行ってくれ」→https://holylandtokyo.com/2017/09/30/7194/
「校内内通者が反旗」→https://holylandtokyo.com/2013/12/12/8589/

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