新導入プロペラ攻撃機に冷戦期の傑作「Skyraider」の名を

予算不足から72機要望を65機に削減で、17か月納入が遅れるも
議会や会計検査院が必要性を疑問視も3月配備開始前に愛称公表
准将から中将に飛び級昇任の空軍SFC司令官が推進力

2月27日付米空軍協会web記事が、中国との本格紛争準備が「一丁目一番地」の米国防省や米軍の中にあって、「米国を上げての中国、中国、中国は理解している。しかし、世界には他の国も存在する。国家として、中央軍の中東での任務はまだ終わっていない」、「現時点での能力評価や分析で軽攻撃機の有用性を結論付けることは危険だ。現時点での前提や仮定は、この機体の幅広い有効性や状況適応能力を見落とす恐れがある」と「（根拠やデータに基づかない）浪花節」論陣を堂々と張り、

米議会や会計監査院GAOからの、「対中国のような本格紛争で、軽攻撃機75機は機能しない」、「必要な能力分析前に調達機数を決定している。機体能力の変化が調達必要機数に与える影響を評価していない。検討途中で想定作戦任務の変更があったのに、必要性を再評価していない」との至極当然な追求にも粘り抜き、購入機数を「75機から62機に縮小」しただけで突き進んでいるMichael Conley 中将率いる米空軍特殊作戦軍の話題を取り上げています

当初計画の2023年10月第1号機導入開始から約1年半遅れで、2025年3月に初号機をフロリダのHurlburt Field基地に迎えることになっている機体は、Air Tractor社が製造している農薬散布機OA-1Kに、「L3Haris社」がセンサーや武装を搭載改良した軽攻撃・観測機（light attack and observation aircraft）で、この「新型機」に米空軍特殊作戦軍（AFSOC）は、冷戦時代の象徴的な近接航空支援プラットフォームとして名を馳せた「A-1 Skyraider」にちなみ「OA-1K Skyraider II」と命名したと発表しました。

プロペラ攻撃機「Skyraider II」は、2020年スタートの「Armed Overwatch」計画として、中東地域を主に想定した過激派グループやローテク脅威と戦うため、近接航空支援やISR任務用の小型プロペラ機導入を追求した成果で、多様なセンサー、通信機器、兵器を搭載可能なモジュール方式を採用しつつ、在空時間が長く、同時に維持整備負担の軽減と維持経費削減を可能にした機体です。導入コストも、地上支援機材等を含めても72機計画時で約3000億円と、桁違いの低さです
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「OA-1K Skyraider II」導入を強引に推進する米空軍特殊作戦軍司令官のMichael Conley中将（准将から中将に飛び級昇任で同司令官就任）の、今時なかなかお目にかからない「（根拠やデータに基づかない）浪花節」論陣が大好きで取り上げていますが、特殊作戦軍は世界各地の地域コマンド指揮官から引っ張りだこです。