引き続き「何時まで経っても完成まであと5年」状態か
2024年に場所や時期不明でドローン迎撃試験に成功と今頃
イエメンのフーシ派対処に現場渇望も未だ・・・
米国防省の試験評価局（OE＆E：Operational Test and Evaluation）が報告書で、「何時まで経っても完成まであと5年」と揶揄され続けているレーザー兵器（指向性エネルギー兵器とも）の中でも、期待値高めで2022年にイージス艦Prebleに搭載され能力向上や開発試験継続中のHELIOS（High-Energy Laser with Integrated Optical Dazzler and Surveillance）が、時期や場所や試験設定など細部は不明ながら、2024年にドローン撃墜試験に成功したと、左の白黒写真と共に公表した模様です最後にHELIOSに言及した記事は2024年3月28日にさかのぼりますが、当時のDefense-News記事は、毎年国防省全体で1500億円以上の開発予算が投入され続けている「金食い虫」で評判の良くないエネルギー兵器ながら、近年成熟度が高まる装備も出てきたとして、米陸軍が2023年から戦闘装甲車に搭載して試験中の電磁パルス兵器Leonidasと並んで取り上げていたのが「HELIOS」です。
最近、電力さえあれば安価に無限に発射可能なレーザー兵器（指向性エネルギー兵器とも）の完成が待ち望まれており、背景にはフーシ派などイスラム過激派による米国および同盟軍に対するドローン攻撃が急増し、2024年1月には米兵3名死亡・負傷者40名以上の被害以降、同種事案が多発する厳しい状況で、これら過激派の攻撃用無人機が1機数十万円程度なのに対し、米側が使用する迎撃ミサイルが1発数億円にもなっているアンバランスが大きな問題となっている現状があります
HELIOSは、ロッキード社が300KWの高エネルギーレーザー兵器を目指して開発中の装備で、2018年に米海軍と契約締結後、2022年8月に60～120KWレベルでイージス艦Prebleに搭載され、既存艦艇に搭載される初の戦術レーザー兵器となった装備で、戦闘ドローン、高速攻撃水上艇、ミサイル迎撃狙って300kw級への出力向上開発が継続している兵器です
ただ開発は難航しており、本件報道の2月4日付Defense-Newsは・・
●米海軍指導部が切望するような具体的な成果は得られていない。米海軍とロッキード社は、システムが作戦ニーズを満たせない可能性を懸念している。
●現場でのレーザー使用判断の難しさや、全体的な技術開発、艦船上の電源の確保、霧や風などの影響を受ける問題など、様々な課題が立ちはだかっている。
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まんぐーすが本ブログを始めた15年前から、レーザー兵器（指向性エネルギー兵器とも）を取り上げていますが、最も期待が高まって、国防省や米軍高官から明るい声が聞かれたのが2014～16年頃で、その後は失敗の話題が続き、最近数年は軍事メディアで取り上げられることが激減している状況です
しかし、「電力さえあれば安価に無限に発射可能で、弾薬補給の心配なし」との素晴らしい特性は捨てがたく、ドローン脅威の高まりとともに前線の期待は高まるばかりの現状です。ある日突然のブレークスルーを期待しております
何時まで経っても完成まであと5年、と揶揄され続けても・・・
2024年時点で期待の2種類
「海HELIOSと陸Leonidas」→https://holylandtokyo.com/2024/03/28/5678/
米海軍のレーザー兵器関連
「最新イージス艦に無人機対処レーザー」→https://holylandtokyo.com/2020/03/16/783/
「2021年に米艦艇にHELIOSを」→https://holylandtokyo.com/2019/05/29/6746/
「レーザーは米海軍が先行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
陸空軍のエネルギー波兵器
「陸軍が本格試験へ」→https://holylandtokyo.com/2023/11/20/5211/
「陸軍がレーザー兵器を契約」→https://holylandtokyo.com/2023/10/18/5138/
「群れ対処試験に成功」→https://holylandtokyo.com/2023/05/26/4663/
「装備名Mjölnirで24年にプロトタイプ」→https://holylandtokyo.com/2022/07/14/3432/
「M波で小型無人機の群れ無効化」→https://holylandtokyo.com/2021/07/06/1942/
