太平洋空軍副司令官が産業界にも協力依頼
昨年6月のNATO 史上最大の演習「Air Defender」超え
10月23日、太平洋空軍の女性副司令官 Laura Lenderman 中将が通信IT団体のアジア太平洋会議で講演し、米空軍大改革の一環として来夏予定する大規模演習 REFORPAC 「Return of Forces to the Pacific」は、約300機の航空機が25か所に展開する大規模演習となるので、指揮統制や機動展開や兵站&維持整備面の現状打破に挑戦してほしいと訴えました
REFORPACに関しては Allvin空軍参謀総長が8月に、米インド太平洋軍のみならず、米戦略軍、米北方軍、輸送車部隊等にも積極的な参加を要請し、2年に一度の米豪主導の大規模イベントである Talisman Sabre 演習や、ACE演習のBamboo Eagleと組み合わせて総合的な演習とすると述べると共に、今後数年間に実施する一連の大規模演習のうちの一つに過ぎないと強調していたところです
Lenderman 副司令官は、「約25の作戦拠点、約300機の航空機に同盟国等が関与し、第5世代機、指揮統制機、輸送機&給油機を西太平洋に迅速かつ大規模に投入するための兵站支援や維持整備の実現能力を統合レベルで実験することが目的だ」と述べ、実現すれば近年空軍が実施した他の演習規模を大幅に上回ると説明しています
更に同中将は、REFORPACは ACE構想実現を狙った演習であるが、「攻撃や防御、兵站、維持整備、指揮統制、戦闘管理に関し、時間は我々の味方ではない」、「完璧な解決策検討や準備のため、長期間を費やす余裕はない」と危機感を訴え、演習を通じて「ストレスポイントを特定し、課題への革新的解決策を見出だす機会にしたい」と述べました
そして会議に参集の産業界の重鎮に、「最高のアイデア、コンセプト、最新の技術、実験可能な装備を西太平洋に持ち寄ってほしい」、「現状打破に協力願いたい。戦域全体でダイナミックな部隊移動を実行する能力、機敏な戦闘や兵站運用、指揮統制を遂行する能力アップに協力願いたい」と要請しました
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Kendall 空軍長官と AlIVin 空軍参謀総長が強力に推進する米空軍大改革は、「新規装備品構想 や開発管理を一手に担う新コマンド Integrated Capabilities Command 創設」や「ACE 構想実現のための兵士多能化等を目指した教育訓練体系改革」に、「即応態勢の向上」を加えた大きく3項目から構成されています。
その中の「即応態勢の向上」のため、具体的に「新しい戦力造成ローテーションAFFORGEN 導入」、「基礎単位の航空団 Wing を前方展開即応部隊や基地機能維持部隊等に区分し、各Wingへの要求を明確に規定」、そして「冷戦期のような無通告能力点検・検閲の復活」と「実戦的 演習の強化」に取り組むと2月時点で発表されていましたが、
「実戦的演習の強化」について、具体的な方向性を8月16日にAllvin空車参謀総長が、大規模演習 REFORPAC 「Return of Forces to the Pacific」として発表していたところでした。
今後段階的に細部が明らかになると思われますので、日本からの参加規模も含め、フォローしたいと思います
大規模演習 REFORPAC 実施を発表
「米空軍大改革の演習」→https://holylandtokyo.com/2024/09/09/6251/
米空軍の大改革アクション推進
「最大の課題はICC 創設と運営」→https://holylandtokyo.com/2024/09/03/6230/
「大改革の概要発表」→https://holylandtokyo.com/2024/02/16/5579/
「改革の目玉ICC コマンド」→https://holylandtokyo.com/2024/05/23/5873/