退役中佐でEglin基地所属の65歳の操縦者
空軍士官学校卒で初飛行は1983年11月23日
RF4 偵察機かA-10攻撃機希望だったが・・
特殊作戦軍C-130 操縦者で、退役後も民間テスト操縦者
C-130の全ての派生型を操縦の「生き字引」
9月24日、米空軍Materiel Commandの第一分遣隊(FL州エグリン基地)の標準化&評価コマンドの主任操縦者として、民間会社からテストパイロットとして派遣されているGary Hogg退役中佐が、MC-130Hの電子機器近代化試験飛行でC-130型機での飛行時間1万時間を達成しました。
65歳のHogg氏は、11歳のお孫さんの誘導で駐機場に到着し、駆けつけた家族や同僚から祝福を受け、「C-130 を飛行させるチームと共に働くことは、この上なく楽しいことです。このチームがスムーズに協力して飛行することが出来たとき、正に純粋な喜び感じます」とコメントしています。
Gary Hogg退役中佐は空軍士官学校卒業後、何となくRF-4偵察機かA-10攻撃機の操縦を希望していましたが、チームで飛行任務をこなすC-130の世界に魅せられ、最初の任地であった欧州の空軍特殊作戦部隊でC-130EとMC-130Eに搭乗し、特殊作戦や捜索救助ヘリに空中給油する任務に就きました
特殊作戦部隊での様々な体験については、今も語れないことが多いようですが、ハイチでの作戦に向かう 14機のMH-53へりに悪天候下で必死に空中給油を行い、自機も最終目的地への着陸に悪天候で2回失敗しつつ、最後のチャンスの3回目で何とか 100億円の機体を生還させることが出来たことなどを振り返り、米空軍協会機関紙の取材に語っています
Hogg 氏は、空軍特殊作戦軍の基準評価部門やロビンズ空軍基地等で飛行試験に従事し、米軍のC-130 派生型のほとんどを操縦した後、2004年に中佐としてエグリン基地に着任し、同基地で退役を迎えましたが、C-130のエキスパートとして民間企業に所属しつつ空軍に派遣される形でテストパイロットの仕事を続けています
退役から 20年経過した今でも C-130を操縦できることが無上の喜びだと語る Hogg 氏は、「私が考えもしなかったキャリアの節目ですが、私は本当に恵まれていました。このチャンスを得られたことにとても感謝しています」と振り返り、第一分遺隊司令官の大佐は「彼の40年の経験から学べる部隊の若手がうらやましい」とコメントしています
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米空軍士官の「出世」との観点で見ると、空軍士官学校卒で、45歳前後の中佐で退役するのは「出世とは縁遠いキャリア」だったことになりますが、65歳になっても、米空軍の一員としてパイロットを続けているHogg氏の生き様は、間違いなく「誰もがうらやむキャリア」だと思います。
「出世」コースから外れても、地道に与えられた仕事に取り組んできたことが、「1万時間」に繋がったのだと思います。おめでとうございます!ますますのご活躍を!
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