A型からJ型まで 2500機以上製造で今後も新造機が
最高記録は1機が一度に 452名(操縦席に32名)空輸
空輸からミサイル投下、特殊作戦、台風観測
8月23日付米空軍協会 web 記事が、同日で1954年の試作機YC-130 初飛行から70周年を迎えた世界的大ベストセラー輸送機G-130を紹介する記事を掲載し、様々なエピソードを取り上げていますので、つまみ食い紹介させていただきます
C-130 は、1950年代の朝鮮戦争時に、従来の小型と大型輸送機の間隙を埋める中型輸送機が前線で不可欠との要求を受け開発されました
また、適切な保管場所が確保できない前線での運用要求も強く、様々な要求にこたえる機体として、多用途で耐久性があり、低速時に機体を安定させる巨大な尾翼、エンジンを砂や土埃から守る高く取り付けられたプロペラ、頑丈なタイヤが両側に付いた着陸装置、多様な物を積める低く設計された背の高い完全加圧貨物室、そして支援機材が無くてもエンジン稼働可能な内蔵補助動力装置を備えた機体がC-130として完成しました
C-130は驚くほど機動性が高く、1950年代後半には「Four Horsemen」と呼ばれる4機のC-130 航空デモンストレーション チームさえ存在しましたが、ベトナム戦争でその価値を大いにアピールしました。数百人の空挺部隊を輸送し、包囲された海兵隊に多くの物資を着陸または空中投下し、更に救助ヘリコプターの空中給油機、特殊部隊をどこにでも運ぶ「タクシー」、近接航空支援用のガンシップといった新たな役割も果たしました
なお、1975年4月29日のサイゴン陥落の際は、1機のC-130が、32人を操縦席に乗せるなど、少なくとも1万ポンドの過積載状態で合計 452人の難民を一度の飛行でタイに運んだ記録まで残しています
記憶の新しい最近では
●砂漠の盾作戦と砂漠の嵐作戦では、EC-130はイラク軍に降伏を説得するためのラジオ番組を放送し、敵の通信やレーダーを妨害
●1963年、C-130 は空母から離着陸する史上最大かつ最重量の航空機となる
●2021年には、無人機を空中からつかみ取るドローン運搬機として能力を証明
●2022年には、MC-130Jがパレット投下巡航ミサイルの初の実弾発射を実施
平時においても災害対処にも大活躍
●立ち往生している牛に干し草を投下、山火事に消火剤や難燃剤を投下。また洪水の汚水で孵化する蚊や汚物バエを殺す殺虫剤散布ための広範囲空中散布ユニットも装備
●1965年以来、嵐や大気圏の河川に飛び込んでデータを収集する「ハリケーンハンター」の主力航空機
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「内部的には、この飛行機の1950年代の痕跡はほとんど残っていない」と言われるように、C-130 が新たな役割を担い続けることができる理由の1つは、機体が絶えず変化しているからです
初飛行時のYC-130 は、プロペラが3枚しかなかったようですが、今日のG-130Jは6枚羽根のプロペラとグラスコックピットを備えています。 70年間も新品で製造され続け、近い将来も製造され続けるであろうC-130の益々の活躍を祈念しつつ・・・
特殊なC-130の話題
「ハリケーン観測部隊の活躍」→https://holylandtokyo.com/2024/05/29/5898/
「ACから105㎜砲取外し検討」→https://holylandtokyo.com/2023/11/10/5219/
「MCで飛行中航空機のサイバー対処」→https://holylandtokyo.com/2021/12/23/2548/
「AC用のレーザー兵器開発」→https://holylandtokyo.com/2021/10/21/2332/
「MCに海面着陸フロートを」→https://holylandtokyo.com/2021/10/13/2296/
「MCからミサイル投下発射」→https://holylandtokyo.com/2022/11/15/3936/