米空軍が2枚とNG社から1枚公開
別に空軍が格納庫内機体写真も1枚公開
初飛行から少なくとも2回は飛行試験実施
5月22日、米空軍が初めて飛行試験中のB-21写真を2枚(画面左方向へ飛行:1月17日撮影)と格納庫内での機体正面写真1枚(5月22日撮影)を公開し、翌23日にNorthrop Grumman社も飛行試験中の写真(画面右方向へ飛行:4月2日撮影)を1枚公開しました。
この初のB-21公式飛行写真公開を紹介する5月22日付米空軍協会web記事(23日の追加写真公開で22日付記事に追記&修正)は、「2023年11月10日初飛行時に公式写真を一切公表しなかった米空軍が、初めての公式公開した飛行試験中の写真であるが、昨年の初飛行時に一般人によって撮影され、SNS上に流布した多様な角度からの写真と比較すると、新たな情報との観点では得るものは少ない」とする辛口のコメント記事となっていますが、追加分析も含まれているのでご紹介します
追記後の5月22日付米空軍協会web記事は、
●米空軍は昨年11月の初飛行以降、飛行試験の回数やトータルの飛行試験時間等を公開していないが、公開された写真に付属するデータから、初飛行以降、少なくとも2回の飛行試験が実施されたことが確認できる。ただ撮影時刻は非公開で、空軍側の同機に関する情報統制は引き続き厳しい
●エンジンの排気ノズルは、B-2爆撃機と比較しより幅広く薄くなっており、赤外線放射防止に配慮されている。また同ノズル付近が黒ずんでいない点から、飛行回数が少ないことが伺えるが、同時に排気ノズルに達する前に機内で相当程度排気冷却が行われていることも示している
●機体上部に追加のリトラクタブルなエンジン空気取り入れ口が設けられ、離陸時に空いていたが、機体上部にあるメインの薄く横長のエンジン空気取り入れ口では、高迎角飛行時に空気流入量が不足するため、流量補完の役割を果たしているのだろう
●つばさ上部に突出型の航法灯が確認できるが、これは航空交通管制圏内を飛行する際に求められるレーダー反射率を増す「リフレクター」の役割を果たすものであろう。
●5月8日にHunter調達担当空軍次官補がB-21飛行試験進捗について、「計画通りの進捗で、そのユニークな設計上の機体特性が次々と確認されている」、「デジタル設計の効率性や有効性が発揮されている」と上院軍事委員会で証言しているように、「核抑止3本柱」のコロンビア級戦略原潜や次期ICBM計画が大幅な開発コスト超過や期間遅延で問題化している中、その順調振りが際立っている
●B-21の調達機数について、空軍爆撃機部隊幹部らはこれまで「少なくとも100機以上」とか「175機」とかぶち上げていたが、最近Allvin参謀総長が「技術進歩が速い現代世界では、次の機体デザインに進むことが求められており、B-21は100機が最終的な調達規模である」と明確に発言してこの議論を収束させたように見える
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さすが仕事人のAllvin大将です。旧態然とした米空軍幹部の発想をばっさり切り捨て、B-21は100機が上限だと言い切る判断力と爆撃機族を制する胆力に感服いたしました。
航空自衛隊の「戦闘機族」に中から、まんぐーすのブログなどを読んで、日本の戦闘機総数や戦闘機飛行隊の削減判断が出来る人材が誕生し、陸海自衛隊を引っ張って自衛隊の戦い方を根本的に見直す先頭に立つことを期待しております
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