2025年度予算に更に「追加」して予算確保すべきだと議員団
対中国作戦を支えるに必要な燃料輸送の負担軽減を目指し
議員さんはミニ原発のリスクをどうお考えなのか???
1月9日付米空軍協会web記事は、共和党有力下院議員2名が公開書簡をAquilino太平洋軍司令官に送り、(対中国)本格紛争準備の中で大きな課題として浮き上がっている西太平洋の米軍根拠基地の電源確保に関し、国防省も検討を進めている「ミニ原発」導入をより加速すべきか等について太平洋軍で検討し、
その必要性が認められたならば、2025年度予算案で関連予算を増額するよう行動すべきと要求し、実質的には同書簡で、対中国作戦基地での電力確保と、現状では大きな負担となり解決のめどが立っていない発電用燃料輸送問題を解決すべく、「ミニ原発」導入を積極的に米軍として要求すべきだと訴えています
米国防省は現在、Strategic Capabilities Officeが「Project Pele」との旗の下、ミニ原発開発企業の「BWX Technologies」と2022年に契約し、米空軍とDefense Logistics Agencyが協力して、アラスカ州アイルソン空軍基地で2027年までに「ミニ原発」を稼働状態にすべく取り組んでおり、同基地が必要な15-megawattの石炭火力発電能力に、ミニ原発で5-megawattを追加供給することを目指しています
書簡の中で両議員は「ミニ原発」の重要性について
(Rob Wittman軍事小委員長と元海軍ヘリパイのJen Kiggans議員)
●米太平洋軍が使用しようとしている緊要な前線基地や分散運用基地は、燃料輸送の目途が立っていないにもかかわらず、輸入燃料に大きく依存する計画となっている点が問題だ。この問題は太平洋軍に限らず、本格紛争を戦ううえで、他の地域軍でも今後避けて通れない問題である
●この問題を容易に解決しうる極めて優れた代替案(ミニ原発)が存在するのに、この利用を考慮しないことほど、馬鹿げたことはない。今後の戦いでは、ミサイル防衛や作戦指揮所でのIT装備品の電力需要が高まる一方だが、敵の攻撃可能圏内では燃料輸送リスクも高まる一方である。この点「ミニ原発」は、戦略戦術面で極めて価値の高いシステムだ
この種の議員団の動きが、直ちに米軍を動かすとは考えにくいですが、国防省のミニ原発プロジェクト「Project Pele」説明では、ミニ原発が敵の攻撃を受けた際の安全性等の問題がクローズアップされ、検討が入り口でとん挫させられことを避けるため、使用先として北極圏や山間部など送電施設維持が負担となる辺鄙な基地や、ICBMサイロ等への電力供給を例に挙げ、ミニ原発の検討必要性を説明していたと記憶しています
ですので米国防省や米空軍の本音としては、「頼むから、当面の間はProject Peleの件はそっとしておいてくれ」、「ミニ原発への懸念の声が、西太平洋の島国国家フィリピンや日本やインドネシアから今の段階で上がるようになると、今後のプロジェクト推進が相当困難になる」でしょうから、「追い風で前に倒れそう」との懸念の声で渦巻いているのでしょう
ミニ原発関連の記事
「デモ機製造企業決定」→https://holylandtokyo.com/2022/06/20/3344/
「航空輸送可能なミニ原発配備へ」→https://holylandtokyo.com/2022/04/19/3147/
「ミニ原発反対論」→https://holylandtokyo.com/2021/06/29/1960/
「サイバー停電に備えミニ原発開発」→https://holylandtokyo.com/2020/03/11/779/
「米陸軍が前線電力消費増に対応検討」→https://holylandtokyo.com/2022/04/25/3138/
「国防省の気候変動対策」→https://holylandtokyo.com/2021/10/11/2318/
米議員団が太平洋軍への「ミニ原発」導入プッシュ
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