2024年夏に独仏西の戦闘機等が大挙アジア訓練ツアー計画

他の戦闘機開発グループの英と伊も加わる可能性
RIMPAC→日→豪→ネシア→インドへ戦闘機30機以上で
アジアでの米国負担軽減で欧州関与を側面支援とか

German AF Asia6.jpg11月27日付Defense-Newsが独国防省や独空軍情報を基に、2024年の7月から8月にかけ、欧州主要国(FCAS次期戦闘機開発でチームを組む独仏スペインを中心に、英と伊も参加可能性大)が戦闘機30機以上と輸送機等で、中国と対峙するアジア太平洋諸国を巡回し、「RIMPAC2024」や豪での「Pitch Black」や印での「Tarang Shakti」演習に参加し、日本にも数日間立ち寄ると報じています

同報道の雰囲気や、2022年にドイツ空軍がアジア太平洋地域への24時間での緊急展開訓練として、6機のEurofighters、4機のA400M輸送機、3機のA330空中給油機でシンガポールにまず展開し、アジア諸国を回って日本にも飛来して空自機と共同訓練した実績からすると、2024年夏の大規模欧州諸国軍機のアジアツアーはドイツ空軍主導で計画されている模様です。

German AF Asia.jpg現時点で既に少なくとも30機の戦闘機(Eurofighters(独8機、スペイン4機)、トーネード独12機、ラファール仏6機)のほか、A400M輸送機8機(独4機、仏スペイン4機)、更にA330空中給油機7機(独3機、仏等3機)も含む大規模編成なっていますが、FCAS国以外からも、「アジア太平洋での米国負担軽減」と「欧州での米支援の支援」趣旨を受け、他の次期戦闘機GCAS開発グループ国(日本も参加!)である英や伊軍機の参加可能性大と、記事は伝えています

German AF Asia5.jpg独空軍によれば、2024年夏の展開に際しては、欧州航空戦力群は北大西洋と北米大陸を横断してアラスカにまず移動し、その後ハワイを中心に7月下旬に開催予定の環太平洋演習RIMPAC2024に参加して艦艇群との連携も演練し、次に日本に数日間立ち寄って日本編隊と飛行訓練を行い、その後は豪州に足を延ばして「Pitch Black」演習に参加予定となっています。

豪での演習後は、インドネシア又はマレーシアに展開して地域完熟訓練と展開国軍との連携を深め、最後にインドに移動して同国主催の国際演習「Tarang Shakti」への参加を調整中だとのことです
/////////////////////////////////////

German AF Asia2.jpg記事は、ドイツ空軍が次期戦闘機FCAS開発グループ国である仏スペインとともにアジア訓練ツアーを計画中で、「恐らく英軍とイタリア軍航空機も道中で参加するだろう:possibly also involving aircraft from the U.K. and Italy along the way」と表現しており、FCASグループでないGCAS開発グループである英や伊は、FCASグループが欧州大陸からアラスカへの移動時にのみ、「European face」との欧州諸国の取り組みの一環として参加するだけかもしれません

German AF Asia3.jpg次期戦闘機FCAS(Future Combat Air System)開発のアピールが背景にあると、なんとなく「うさん臭い」アジア訓練ツアー感も漂いますが、「RIMPAC2024」「Pitch Black」「Tarang Shakti」演習参加と日本への立ち寄りもある大変力の入った取り組みですので、歓迎したいと思います

ただドイツは現在、左翼系連合政権による「原発全廃」や「EV過剰推進」等の負の影響をもろに受け、エネルギー価格高騰や世界からの投資一斉撤退で経済が崩壊方向にまっしぐら状態です。ドイツ空軍の元気印「Ingo Gerhartz独空軍参謀総長(←冒頭の写真)」のご奮闘を祈るばかりです

2022年ドイツ空軍の初アジアツアーなど
「独戦闘機6機がアジア豪星日韓へ」→https://holylandtokyo.com/2022/08/18/3566/
「独で冷戦後最大の航空演習」→https://holylandtokyo.com/2023/05/01/4515/
「独が戦術核共有にF-35導入へ」→https://holylandtokyo.com/2022/03/16/2920/

【ご参考:欧州の戦闘機開発2グループ】
●「独仏スペイン」のFCAS(Future Combat Air System)
→独Airbus, 仏Dassault, スペインIndra、仏Thales, 仏MBDA and 仏Safranなど

●「英伊スウェーデン+日本」のGCAS(Global Combat Air System)
「TEMPEST」計画とも呼ばれる
→英BAE、英ロールスロイス、スウェSaab、日MHI、伊Leonardoなど

仏独スペインのFCAS開発
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2
「ベルギーが関与希望か」→https://holylandtokyo.com/2023/06/26/4766/
英スウェ伊+日本のGCAS開発
「英伊が日本恫喝:逃げるなよ!」→https://holylandtokyo.com/2023/02/14/4299/
「伊が訪日し協議」→https://holylandtokyo.com/2022/09/27/3699/
「英戦闘機開発にイタリアも参加へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-11

世界の安保・軍事情報を伝えたい ブログ「東京の郊外より」支援の会
米国を中心とした世界の軍事メディアが報じている、世界の標準的な安全保障情報や軍事情報をご紹介するブログ「東京の郊外より・・・」を支援するファンクラブです。ご支援お願いいたします。
ブログサポーターご紹介ページ
お支援下さっている皆様、ありがとうございます! そのお気持ちで元気100倍です!!! ●赤ちょうちんサポーターの皆様(3000円/月) ●ランチサポーターの皆様(1000円/月) mecha_mecha様 ●カフェサポーターの皆様(500円...
タイトルとURLをコピーしました