Space Flag演習から発展的分離で電子戦演習に
今年3回目の演習で1回目の3倍の参加者
陸軍と空軍も参加して様々なEWの影響を体感
10月6日付米空軍協会web記事が、9月23日に実施された米宇宙軍訓練即応態勢コマンド主催による電子戦演習「Black Skies 23-3」を取り上げ、2022年9月に「Space Flag」演習から発展的分離で始まった同演習が、各方面からの注目を集めて今年だけで既に3回目を数え、他軍種からの参加者も含め今年1回目から3倍増の参加者170名を得て急速に拡大していると紹介しています
電子戦演習「Black Skies」は、宇宙に関連するあらゆる電子妨害を対象として扱い、GPS妨害から通信妨害、具体的には衛星からの位置情報や衛星通信を活用した無人機コントロールなどなど、様々な分野の電子妨害を対象に扱い、CDO環境(contested, degraded, and operationally-limited)下での作戦運用とその特性を、宇宙軍内のみならず他軍種を交えて学ぶ内容となっている模様です
主催者側で中心的役割を果たしていると推測される第392 Combat Training隊の隊長Scott Nakatani中佐は、「統合運用環境においてEW環境は「不可欠なピース」であり、他軍種の様々な部隊と厳しい環境下での対処要領をチームとして演練しておくことが不可欠だ」と10月4日付の声明で強調しており、
また記事は、「Black Skies 23-3」演習参加部隊かどうかは明示していませんが、宇宙関連のEW攻撃を担当するであろう米宇宙軍の第4Space Control Squadronの様な部隊には、極めて重要な教訓を得る機会だろうと表現しています
更に記事は、同演習に参加したCombined Space Operations Center (CSpOC)のような多様な軍種の多様な部署と連携を図る部隊に対しては、実環境とシム環境での演習想定を同時に提供し、効果的な訓練が可能なように準備されていると紹介しています
実環境では、関連部隊は不明ながら「敵の位置情報への妨害」を想定したと推定される実弾射撃訓練が「Black Skies 23-3」に組み込まれ、シム環境では米陸軍第1宇宙旅団が無人機操作信号に対する様々な妨害対処を訓練した模様です
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電子戦演習「Black Skies」に同盟国が参加しているのかについて記事に言及はありませんが、その規模と始まったばかりの状況からすると、現時点では米軍内の宇宙を絡めた電子戦への基礎教育を開始し、米軍内への展開を加速している段階と考えられます
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