米空軍が24年ぶりに募集目標10%未達も

肥満、麻薬、身体&心理問題で人口の23%のみ応募可
コロナ明け後の雇用急増で若者採用競争
2024年度は回復傾向と自信示す

airforce recruit7.jpg9月11日、Kendall空軍長官が記者懇談会で、9月末までの2023年度の米空軍新兵募集は目標に約10%届かない模様で、1999年以来24年ぶりに採用目標未達となると語りました。

ただし同空軍長官は、2024年度は米空軍の各種取り組みもあり募集実績は回復傾向にあり、2024年度最初の月となる2023年10月の採用は既に目標を達成しており、11月も目標数を十分クリアできる勢いで採用活動が行われていると自信を示しました

airforce recruit8.jpg1999年に目標未達だった際は、「1981年から96年に生まれたMillenials世代:Y世代とも言う」が最初に採用対象年齢に達した年だと説明され、その前の未達の1979年は「X世代:親世代の離婚率が上昇し始めた時期に子供世代を過ごしたため、親からの監督が少なくなり始めた世代」が最初に採用対象年齢に達した年だと解釈されています。

2023年度が採用目標未達になる原因として、コロナ禍で2020年ころから公開の場での採用活動やイベントを自粛していた影響、コロナ後の企業活動や社会活動活発化による新人採用急増による人の奪い合い、

airforce recruit9.jpg更に、対人接触をあまり好まず、米軍5軍を言える割合が5割以下で、肥満、麻薬、身体&心理健康問題で対象人口の23%しか採用基準を満たず、1割未満しか米軍入隊に関心を持っていない「Z世代」へのアピール不足が原因の一つと考えられているようです

これらの「逆風」を克服すべく、米空軍は、入隊により合法移民応募者がスムーズな「帰化」プロセスを享受できる制度、学生ローン肩代わり制度再導入、首や手への入れ墨基準緩和、スマホアプリによる現役兵士からの募集候補者情報収集、募集担当者への成功報酬や表彰制度などなどの施策を次々に導入しました

airforce recruit3.jpgこれらの成果と、コロナからの経済回復による新人採用競争が激化した過去数年間の状況が一段落しつつあること等も加わり、米空軍採用局の報道官は「来年2024年の見通しは良い」、「DEP([delayed-entry program細部不明)活用による応募者が昨年の2倍で、更に増加中」等と、空軍長官の11日の発言を裏付ける現場の様子を紹介しています
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airforce recruit4.jpg海兵隊と宇宙軍は募集数が小さく募集状況には余裕があると、過去記事「電卓持ち込み可へ」でご紹介しましたが、空軍も2024年度に向け明るい傾向が見えており、各種基準の緩和が気にはなりますが、時代の流れでしょうからしょうがないでしょう。

空軍より状況が厳しそうな、陸軍と海軍の来年2024年度の見通しも聞きたいものです。

新兵募集難&離職者増への対応
「新兵入隊学力試験に電卓持ち込み可へ」→https://holylandtokyo.com/2023/08/29/4976/
「募集難に合法移民へ猛烈アプローチ」→https://holylandtokyo.com/2023/06/16/4743/
「兵士慰留に職種変更容易化へ」→https://holylandtokyo.com/2023/05/12/4608/
「米空軍が体脂肪基準緩和へ」→https://holylandtokyo.com/2023/04/07/4494/
「歩きスマホやポケットハンドOK」→https://holylandtokyo.com/2021/12/16/2519/

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