10日から17日まで夏休みを頂きます・・・
昨年11月から6月まで様々な試行を
30-50名が展開先で短期間センサー部隊
強襲揚陸艦や空母戦闘群とも試行演習を
7月24日付Defense-Newsは、米海兵隊が将来部隊構想「Force Design 2030」実現に向け、米海軍の打撃部隊に西太平洋の最前線情報を収集&伝達する機動センサー部隊(MEU:Marine Expeditionary Unit)が、昨年11月から今年6月まで実験&試行運用を行った様子を紹介しています
機動センサー部隊(MEU:Marine Expeditionary Unit)は30-50名の単位で、西太平洋の島々や半島の沿岸部に航空機や小型艦艇等で隠密裏に展開し、数日から1週間程度の短期の展開間に、持ち込んだ各種センサーや無人機等で敵艦艇部隊の状況を収集し、米海軍打撃部隊や周辺友軍部隊に提供して、必要に応じ味方を誘導する部隊イメージです
昨年11月からの実験運用では、大佐が率いる第13MEUがアジア太平洋地域全般の様々な場所に様々な手段で展開し、2月にはMakin Island強襲揚陸艦率いる即応戦闘群ARGやニミッツ空母戦闘群とも連携して、空母艦載機を実際に飛ばしてMakin Islandが航空作戦指揮と行うパターンまで訓練した模様です
第13MEUは機動センサー部隊の運用構想(EAB作戦構想)「Expeditionary Advanced Base Operations concept」の検証を行ったと記事は説明しており、当該期間に具体的に行った実験運用試験の細部は不明ですが、「AI搭載無人機V-BATの活用」、「シンガポール派遣中の沿岸戦闘艦LCSとの複数回にわたる具体的作戦協議」、「同盟国関連部隊との調整」等々を行った模様です
米海兵隊は、西太平洋の島々を構成する水深が浅いエリアでの作戦には、米海軍大型艦艇より小回りの利く海兵隊用の強襲揚陸艦や補給艦が適していると考えており、実際に強襲揚陸艦にF-35Bとオスプレイを各10機づつ搭載して既に運用実績を積んでいる点からも、海兵隊独自の自律性の高い運用が可能だとも考えている模様です
もちろん、より大きな打撃力を米統合部隊として発揮するため、長射程対艦ミサイルを操るNMESIS(Navy/Marine Corps Expeditionary Ship Interdiction System program)と一体化したセンサー部隊としての運用がMEUの目指すところですが、様々な状況に応じて柔軟に戦力発揮できることを海兵隊はアピールしています
7か月間の実験&試行間に得られた教訓や課題について、現在保有の補給艦等では航空機可能スペースが不十分との記述がありますが、その他の具体的課題について記事は触れておらず、今後のMEU構想の動きも記載されていませんが、
間違いなく第一列島線上に陣取るであろう自衛隊との連携が重要となる運用コンセプトですので、今後の展開を注視したいと思います
米海兵隊関連の動向
「事前装備集積船を小型化へ」→https://holylandtokyo.com/2023/07/03/4806/
「次期司令官は改革派」→https://holylandtokyo.com/2023/06/06/4711/
「沖縄海兵隊4千名転進先」→https://holylandtokyo.com/2023/02/01/4230/
「ハワイに新MLR部隊」→https://holylandtokyo.com/2022/08/19/3546/
「Stand-in Force構想」→https://holylandtokyo.com/2022/05/25/3264/
「Force Design 2030構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25