米海兵隊で2つ目のMQ-9部隊がハワイに
海兵隊の対中国の目玉、第3海兵沿岸旅団を支援
8月2日米海兵隊が、海兵隊2番目で、アジア太平洋では初のMQ-9運用部隊となる第3海兵無人機飛行隊(VMU-3:Marine Unmanned Aerial Vehicle Squadron 3,、愛称Phantoms)がハワイのKaneohe Bay海兵航空基地で初期運用態勢(IOC)を確立したと宣言しました
第3海兵無人機飛行隊(VMU-3)は、2008年からこれまで、RQ-7、ScanEagle、RQ-21Aなどの無人機の他、無人輸送用ヘリ・K-MAXの運用も担い、アフガニスタンでの実戦経験も豊富な部隊ですが、今年4月に最初のMQ-9を2機受領し、同年9月に初飛行を行い、その後訓練や人員の養成を行ってIOCを達成したとのことです
米海兵隊におけるMQ-9運用部隊の先駆者は、アリゾナ州Yuma海兵隊航空基地のVMU-1ですが、VMU-3より1年早く初号機を受領しただけの「ほやほや部隊」で、VMU-1と3は、今後競い合ってその技量向上や戦果を追求していくと思われます
ハワイに創設されたVMU-3は、米海兵隊が対中国を想定し、同じくハワイの第3海兵旅団を2022年3月に改編して創設した3MLR(第3沿岸海兵旅団:3rd Marine Littoral Regiment)を支援することが主任務とされています。
このVMU-3が支援する3MLRは、米海兵隊が対中国を想定して2021年12月発表の「A Concept for Stand-In Forces」に基づき、米海兵隊が新たに編成した「Stand-In」部隊であり、2023年9月の初期運用態勢確立IOCに向け、最後の準備を精力的に進めているところですが、準備の最後のピース「VMU-3」が無事収まった形となりました
米海兵隊無人機部隊を束ねる海兵飛行部隊群司令官のWilliam Heiken大佐は、「MQ-9部隊は、海兵隊の沿岸旅団における空中クォーターバックだ」と表現し、米海兵隊報道官は「多様な任務、すなわち、沿岸や国境監視、兵器移動追跡、禁輸措置行使、人道支援・被害復旧、平和維持支援、麻薬対処などの作戦を支援する」と説明しています
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米軍内の軍種は異なりますが、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋基地内に設置された米空軍のMQ-9部隊との関係など、ハワイからの運用や今後の機動展開訓練先が気になります。
高度25000フィートまでの高さで、連続20時間以上の飛行が可能なMQ-9部隊の今後の活動具合に今後も注目して行きたいと思います
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