「日本が更に安保貢献できるように」と意味深に
更なる自衛隊基地共用化や統合司令部設置に期待
2月10日、米国防省のMara Karlin戦略計画担当次官補がBrookingsで講演し、国家防衛戦略に基づく今後のアジア太平洋諸国との協力強化について語り、特に日本との協力強化や日本の貢献拡大に強い期待感を示しました
同次官補は豪州や韓国やフィリピンとの協力強化メニューについてももちろん語っていますが、日本政府による防衛3文書改訂のインパクトとその実現への期待は相当に高い模様で、講演の様子を報じる10日付米空軍協会web記事は、冒頭から日本関連部分を大きく取り上げています
講演はアジア太平洋関連事項を中心に進められ、もちろんウクライナ関連を中心とした対ロシアについても言及していますが、なんとなく講演後半の付けたしのような印象となっており、本日はアジア太平洋関連部分だけをご紹介いたします
日本との関係強化
●嘉手納基地配備のF-15Cの交代として、第5世代機を含む先進機ローテーション派遣を行っている。また海上自衛隊鹿屋基地にMQ-9無人偵察攻撃機の運用拠点を開設して情勢認識能力を強化し、1月には海兵隊沿岸戦闘旅団MLRの沖縄配備について政府間合意が成立した
●このような協力強化の動きは、当該地域における、より最新で機動性を持つ全分野にわたる攻撃力強化要請に対応するものであり、最近日本が改定した自衛隊への投資の根本的増強などを含む防衛戦略と一致するものである(really sings nicely with Japan’s updated defense strategy)
●更に、米陸軍海洋機動力を向上させる水上艇導入や、日本の地域安全保障への貢献をよりアクティブにするための役割分担の見直しも日本との間で進める
●また、日本が(2024年以降に市ヶ谷に)設置を決めた統合司令部と指揮統制協力の強化や相互運用性向上に取り組むとともに、自衛隊等との施設共用(sharing facilities in Japan)拡大や訓練演習の増加についても、南西諸島方面を含めて検討を進める
豪州や英国との協力強化
●AUKUSについては、通常兵器搭載の原子力潜水艦提供に焦点が当たりがちだが、ブリンケン国務長官が12月に豪英と協議した最新技術提供も重要な分野であり、ここには水中ISR能力強化のため米英豪が自立型無人システム開発に協力することや、演習で最新技術試験を行うこと、更に極超音速兵器や無人システム開発協力等々が含まれている
韓国とは
●米空軍爆撃機や戦闘機のローテーション派遣の強化を計画しており、韓国との共同演習などにより多くの爆撃機や戦闘機を含める計画をしている
フィリピン新政権とも
●最近発表された米比間の「Enhanced Defense Cooperation Agreement」において、追加でフィリピン軍の4つの基地への米軍アクセスが合意された。これにより米比軍間の相互運用性向上のための演習訓練がより充実出来、人道支援や被害復旧訓練と合わせての訓練も通じ統合程度の強化を推進可能になる。
●また、南シナ海での共同海上パトロールも再開する予定だ
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中国の不動産バブル崩壊に端を発した「中国成長メカニズム」崩壊の兆しが漏れ聞こえるようになり、具体的には、警察や「地方行政」の混乱から地方都市での住民デモの発生が増えている・・・とのネット情報も増えているようです
このような中国の国家体制の揺らぎから中国人民の目をそらすため、敵を国外に求めるような動きにならないことを願うばかりです・・・
米軍とアジア諸国の協力関連
「鹿屋基地に米空軍MQ-9拠点」→https://holylandtokyo.com/2022/10/27/3811/
「比の新大統領は中国寄り?」→https://holylandtokyo.com/2022/07/08/3450/
「AUKUS 締結発表」→https://holylandtokyo.com/2021/09/20/2255/
「米豪で無人ウイングマン研究」→https://holylandtokyo.com/2020/05/06/664/