米空軍オスプレイ飛行停止も海軍海兵隊は継続運用中:9月2日に飛行再開指示

米空軍特殊作戦軍がオスプレイ飛行再開指示

飛行停止から約18日後の9月2日(金)に、3日又は4日に飛行再開と発表
離陸後すぐにフルパワーにするのではなく、クラッチ滑りがないことを確認するため 2 秒間のホバリング確認を指示
飛行停止にしていない米海兵隊が以前から行っていたと同様の確認手順を追加して飛行再開へ
クラッチにスリップが発生する根本原因は依然不明も・・・

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エンジンとプロペラを繋ぐクラッチのスリップ問題
2010年以降15件の同事案発生も、最近6週間で2件空軍で
過去大事故や負傷者なしで、10件発生の海兵隊は対処徹底済と

osprey v-22.jpg8月17日に米空軍が空軍特殊作戦軍保有のオスプレイ(CV-22)全52機に対し、エンジン動力をプロペラに伝える「クラッチ:clutch」関連のスリップ(slip)トラブルが過去6週間で2件連続して発生したことを受け、飛行停止を命じたのに対し、

オスプレイ(MV-22)を296機保有する米海兵隊は、同問題を2020年から把握して対応要領を十分教育等しているので飛行停止にはしないと同18日に明らかにしました。なお、同トラブル発生経験がない米海軍(約40機輸送機CMV-22Bとして保有)も継続飛行すると明らかにしています

Osprey V-22 2.JPGこのオスプレイのクラッチトラブルは、エンジンの回転をプロペラに伝えるギアボックス内のクラッチにスリップが発生して動力が十分にプロペラに伝わらない現象で、発生時にはもう一つの正常なエンジンに動力源が自動的に切り替わって墜落を防止するように設計されていますが、トラブル発生時には直ちに安全な場所に緊急着陸するよう運用マニュアルが定めています

18日の発表で米海兵隊は、2010年から同事案を把握しており、米軍全体で過去に15件同事案が発生して内10件が海兵隊保有機で発生していると明らかにしましたが、いずれも緊急着陸して対処し、機体の破損や死傷者の発生はありません

Osprey V-22 3.jpgオスプレイの米軍全体での総飛行時間は約68万時間で、その内53万時間を米海兵隊機が占めており、海兵隊はこれまでの経験から「同事象の2/3は離陸直後に発生」「米海兵隊が定める、離陸直後に高度約10mのホバリング状態で行う機体チェックで兆候察知が重要」「事象発生時の対処要領を十分教育訓練している」とし、

更に「海兵隊機(海軍機も)は、離陸後直ちに艦艇や空母周辺の比較的安全な地域での洋上飛行になることが多く、空軍特殊作戦軍機が脅威に近接した地域で運用されるのとは使用環境が異なる」等の理由で飛行停止にしないと海軍報道官等が説明しているようです

Osprey V-22 4.JPG一方の米空軍は、17日の飛行停止発表で「2017年以降、同事象を把握している」と述べ、米海兵隊の認識(2010年から把握)とずれていると記者団から突っ込まれているようですが、何時まで飛行停止するのか? 飛行停止をしてどのような措置を行うか等について明らかにしていません。

ただ、飛行継続を決定した海兵隊も同事象を放置しているわけではなく、追加で同事象発生を早期に搭乗員に知らせるアラームを今後数年かけて装備する検討を進めており、海空軍とも以前から緊密にオスプレイの状況については情報共有を図っているとしています
ちなみに同事象が発生した場合、トラブル程度によりギアボックスやエンジンの交換を行う必要があり、最低でも3億円が修理に必要になるということです。
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Osprey V-22 5.jpg垂直離着陸を行う回転翼機は、機体振動が大く、機体にねじれトルクがかかることもあり極めてデリケートです。本事象の陸上自衛隊保有機(現状9機、計17機導入予定)への影響が気になるところです

導入時にあれだけ「空飛ぶ棺桶」等と揶揄されたオスプレイですが、運用開始後は安定した飛行を継続しており、今年3月に4名、6月に5名の死亡事故が発生して海兵隊は1日飛行停止にして安全教育を再徹底したところですが、人的ミスが原因らしく、装備安全性の面では「優等生」だと思います。

既に計400機以上が納入され、68万時間以上の飛行実績があるオスプレイですから、そろそろ「クラッチのスリップ」問題にも根本的対策が打たれるよう願うところです。

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「海兵隊:オスプレイ需要急増」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2015-08-19
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「海軍もオスプレイ導入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17-1
「ミサイル発射試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-14
「日本がオスプレイ導入決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-19
「オスプレイ整備拠点で日韓対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-14
「イスラエルへ海外初輸出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-02
「少なくとも100機海外で売る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19

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