ウ国への軍事支援輸送を支えるECCUをご紹介

ドイツのStuttgartに米欧州コマンドがECCUを設置
ウ国要員も交え約50名規模で24時間支援輸送を采配
ウクライナ国内の輸送網は強靭で効率的

ECCU5.jpg4月29日付米空軍協会web記事が、西側諸国からウクライナへの軍事物資支援輸送をコントロールするドイツのシュツットガルトStuttgartに設置された24時間運用態勢の「米軍欧州コマンド運用センター:ECCU:EUCOM Control Center Ukraine」の様子を紹介しています

 

ECCU7.jpgロシア侵略に対抗するウクライナを支える重要拠点ながら、これまで報じられることがなかったECCUですが、4月26日にオースチン国防長官とブリンケン国務長官がドイツ訪問して開催された「ウクライナ支援国協議:Ukraine Defense Consultative Workshop」の取材報道陣に対し、ECCU活動紹介ブリーフィングが行われた模様です

ウクライナへの支援は米国やNATO諸国を中心に増えていますが、一方で提供された装備等が本当にウクライナ東部前線に届いているのか?、混乱に乗じて「横流し」されていたりしないのか?、等の疑念の声もSNS]上では見られますが、記事によればウクライナ内の輸送網は多様な形で強靭に維持&再編成されており、外から心配する以上にしっかり機能していると記事は報じています

同記事が紹介するECCUの概要など
ECCU2.jpg●ウクライナへの迅速な軍事装備提供や支援物資輸送を調整するシュツットガルトStuttgart に設置されたECCUは、物流を支えるコールセンターと輸送状況監視センターと各種調整用会議室を組み合わせた施設である
●米海軍少将(欧州米軍J-4)をトップとするECCUには、24時間体制で支援国15か国からのスタッフが常時40-60名が勤務しているが、ウクライナからも数名が加わっている。英軍が准将をトップに運用するIDCC(International Donor Coordination Center)とも緊密に連携しつつ、全ての物流の計画、任務配分、指示、輸送状況モニター、不足事態等への対処を行っている

ECCU.jpg●ECCUは米輸送コマンドと緊密に連携を取り、米国からの物資はC-17輸送機で独Ramstein飛行場に空輸され、その後小型のC-130に積み替えられウクライナ周辺国のウクライナ国境近辺飛行場に空輸される。C-17輸送は当初2日に1回だったが、今やウクライナの要請に迅速対応するため1日10回にまで増加している
●C-130によるウクライナ周辺国への空輸後は、トラックや鉄道網でウクライナ前線へ物資が輸送されていく。当初ECCUは空輸調整中心だったが、地上や鉄道輸送など多様なルートに調整範囲が急速に拡大している。物資が一端ウクライナ国内に入ると、ウクライナは多様な前線への補給ルートを確保しており、困難な情勢下でも極めて効率的な輸送路確保の働きを見せている

ECCU6.jpg●米国防長官と国務長官がキエフに鉄道で移動したことを見たロシアが、ウクライナ鉄道網への攻撃を強化しているが、米国防省高官によれば鉄道網への影響は限定的な模様である。ウクライナへの支援ルートは、ポーランド経由を中心に、ルーマニア、スロバキアなどを経ているが、西側支援物資がどの国をどの程度経由しているかは公開されていない
●ECCU関係者は当初、支援物資が「横流し」されたり、行方不明になる等を危惧していたが、物資の管理や防護は混乱の中でも期待以上にしっかりしており、前線へ確実に輸送されている

155mm Howitzer.jpg●今後はより野戦砲など長射程の攻撃兵器が重視され、携帯型SAMスティンガー等は優先度が下がる方向にあり、ECCUは大型の野戦砲(72門の155mm Howitzerや砲弾)や装甲戦闘車両の輸送に取り組んでいる。多少到着が遅れるかもしれないが、提供した長射程砲が近くロシア側を攻撃開始するだろうとECCU関係者は楽観的である
●輸送支援関係高官は「ロシア軍のパフォーマンスがひどくても、ロシア軍の保有戦力は多量で余剰があり、ウクライナには引き続き我々の支援物資が必要だ」、「防御兵器から長射程攻撃兵器にニーズの変化があるように、今後も先を見越した柔軟な対応がECCUには求められる」と語っている
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バイデン大統領が4月28日に、追加で4兆円近いウクライナ支援パッケージを発表したこともあり、米国からの支援物資がウクライナ前線にしっかり提供され有効活用されていることをアピールするため、ECCU活動ブリーフィングが実施されたのかもしれません

ECCU4.jpgでも、ウクライナが前線の戦いだけでなく、兵站補給路確保と管理においても、国家として極めてしっかり取り組んでいることに疑いはなさそうです。

ロシアのウクライナ侵攻を契機に、国防に関心の薄かった日本国民の間にも、安全保障に関する常識的な危機感や国防への認識が共有されればよいと思います。同時に、左寄りの皆さんの「お花畑思考」の問題点が、自然な形で国民に認識されればよいと思います

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「欧州諸国からウクライナへの武器提供」→https://holylandtokyo.com/2022/03/02/2772/
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