次の国防長官有力候補が国防政策を語る

バイデンが勝利したらの話です
オバマ政権で国防省No3だったFlournoy女史が

Flournoy.jpeg6日、バイデン政権が誕生したら国防長官候補のNo1と言われる元政策担当国防次官のMichèle Flournoy女史が講演で、中国やロシアに対抗すべく取るべき国防政策について国防費の伸びが期待できない中、既存の伝統的戦力の数量や投資を削減してでも新たな必要分野への投資を行うべきと語り、また議会との関係改善が欠かせないと主張しました

Michèle Flournoy女史は、ゲーツ国防長官とパネッタ国防長官時の2009年から2012年の間に国防省No3の政策担当次官を務め、同次官に就任する前はシンクタンクCNAS共同創設者としてCNASの研究を仕切っていた人物です

Flournoy3.jpeg国防次官就任前にも、1990年代後半から2000年にかけて政策担当次官補代理等として、QDRの作成や拡散防止政策、またロシアやウクライナ政策を担当していた経験もあり、実務面でも人脈面でも国防長官にふさわしい人物で、1960年12月生まれの59歳との若さも激務の国防長官にはうってつけで

このように経験豊富な人物ですので、その主張は突飛さではなく重さを感じさせるもので、ゲーツ元国防長官から「外交面で正しい判断をすることが少ない」と揶揄されるバイデン氏を支えるには必要な人材と言えましょう

10日付Defense-News記事によれば
オンラインで開催されたAspen Security Forumに登場したFlournoy女史は、中国やロシアに対する信頼できる抑止力を維持するために、伝統的な戦力を犠牲にしてでも、「game-changing」な技術に投資すべきであると主張した
Flournoy2.jpeg「我々の抑止力が失われたわけではないが、日々損なわれている」と危機感を示し、「必要な能力に投資する必要がある」と訴え、「一つは前線投入までに10年は必要な(長期的)投資で、もう一つは今後5年間の対処に備えるもので、既存の装備を従来とは異なる方向で使用するための投資だ」と説明した

また、これら投資に必要な予算を確保するため、大統領選挙でどの候補が勝利しても近未来に国防予算の伸びが期待できない中では、「伝統的な戦力:legacy forces」を削減する「厳しい選択・決断」をして予算を浮かせる必要があると訴えた
そして資金が確保できたなら、米軍をより脅威に適合した、残存性の高く、効率的で、より抑止に効果的なものにする方向に投資する必要があると語った

具体的な投資方向として2つを上げ、まず、中国が追求する陸海空宇宙サイバー空間での攻撃下でも生き残れるような通信ネットワークや指揮統制システムのための「network of networks」が必要だと主張した
Flournoy4.jpegそして2つ目に、有人システムを増強するための無人システムへの投資増を訴え、「米国の行動を妨げる極めて厳しい脅威圏リングを中国が構築しており、これに対処するため人間が管制する無人システムで有人戦力を増強する必要がある。それも従来手法から劇的に進歩した、ISRと兵器等が一体となったより良い抑止効果を生む新たな関係を構築する方向で」と説明した

また同女史は、行政面での要改善事項として、米議会との意思疎通を改善して「案件の停滞・渋滞:logjam」を避け、立法府との信頼に基づく関係を取り戻す必要性を強く主張した
国防省が限られた予算内でのトレードオフを決意し、事業のスクラップ&ビルドを議会に提案しても、議会への説明や意思疎通がうまくいかずにとん挫しているケースがいくつもある」と指摘し、「議会の主要メンバーをウォーゲームやシミュレーション演習に招き、なぜ国防省提案が必要なのかを理解してもらう必要がある」とFlournoy女史は説明した
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Haris.jpegバイデン候補が副大統領候補として、黒人女性でアジアの血も流れるカマラ・ハリス上院議員(55)を指名したとのニュースが飛び込んできました
選挙は「水物」で結果が出るまで分かりませんが、現在はハーバードの「Belfer Center for Science and International Affairs」で上級研究員を務めるFlournoy女史に注目しておきましょう

フロノイ元国防次官関連
「米議会で中国抑止を議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-17
「強制削減下の国防」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2015-06-18-1
「ヘーゲル長官の後任を打診されたが」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2014-11-25
「国防次官候補者の発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25
「フロノイ次官の退任」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-13
「フロノイのアジア政策授業」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30

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