輸送機が新データリンクで数百倍データ通信高速化、でも

新データリンク試験でリアルタイム情報共有可能に
今までなかったのが不思議です・・・
今後これを普及させるのかは・・・

C-17 data link.jpg米空軍輸送コマンドの能力開発チーム長がインタビューに答え、6月6日に2機のC-17輸送機が参加した新型データリンクシステムの試験で従来との比較で「数百倍速い:hundreds of times faster」情報共有に成功し、米空軍が中心となり統合作戦のカギとして取り組む「統合全ドメイン指揮統制(JADC2:Joint All-Domain Command and Control)推進に乗り遅れないよう一歩前進したと語りました

6月6日の試験は、厳しい作戦環境下で地上部隊兵士を2機のC-17輸送機から降下させる想定で行われ、従来であれば作戦遂行の約20分前に無線交信で入手していた現場周辺の最新の敵情や作戦全体の進行状況を、移動中も継続的にデータリンク経由で入手できたようです

C-17 data link2.jpg新たなデータリンクの詳細は不明ですが、「商用衛星通信を使用した」、「高い周波数帯の使用で見通し外通信:through high bandwidth」、「少し異なったプロトコールで送信」、「高速データ処理のため搭載コンピュータを更新した」との変化で、「数百倍速い:hundreds of times faster」情報共有に成功したとのことです
今後は、より前線密着の空中給油機にもこの新型データリンクを搭載し、空軍輸送コマンドとして「JADC2」や「ABMS」に食い込んでいく計画のようです

2日付C4ISRNET記事によれば
米空軍輸送コマンドの能力開発チーム長Bradley Rueter中佐は、6月6日に試験した新型データリンクについて「輸送機搭乗員の状況認識を飛躍的に向上させたgamechangerだ」と表現した
C-17 data link3.jpg加州の州空軍が試験演習に参加した2機のC-17の搭乗員たちは、地上部隊兵士を降下させる任務遂行地点に向かう間も、戦闘地域での状況の変化を高い情報レートの通信によって継続的に把握することができた

Reuter中佐は、新データリンクにより「搭乗員は敵がどのように我々の任務遂行を阻害しようとしているかや、他の味方の行動や作戦の推移を的確に把握することができた」と試験演習を振り返った
また「試験に参加した搭乗員の中には、同様の演習想定で過去8回訓練した経験者がいたが、今回の演習では過去に経験がないレベルで状況把握ができた、と新データリンクの絶大な効果を振り返る者もいた」との証言も紹介した

一方で、新データリンク導入により新たな問題も明らかになっており、同中佐は高速のデータ通信が可能になったことにより、搭乗員が使用する「interface:情報表示装置?」が多量に入手した情報を適切に扱う設計になっていない問題が明らかになったと教訓を語った
C-17 data link4.jpg今後について同中佐は、米空軍が推進して統合で取り組んでいるJADC2に一歩近づくことができたが、来年はKC-135s, KC-46s 及びC-130s.でも搭載試験を行うと明らかにし、より大きなABMS(Advanced Battle Management System)構想に食い込んで行けるように進めたいと説明した

米空軍輸送コマンド司令官のMaryanne Miller大将は、「戦闘機が存在する場所には空中給油機(や輸送機)が必ず存在するが、我々のアセットも戦闘機と同じようなネットワークの恩恵を受けられるべきだし、我がアセットからもネットワークに有用な情報提供が可能になるべきだ」と述べている
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今年1月に空中給油機に通信中継装置を搭載して活用する検討についてご紹介しましたが、ハード面では問題がなく、予算面でもそれほど負担のかかりそうもない構想なのに、米空軍や統合作戦全体の中で煮詰まっていかない「いらだち」を米輸送コマンド関係者が吐露していました

今回の輸送機への新型データリンク搭載試験も、「JADC2」や「ABMS」との言葉は登場するものの、空軍輸送コマンド以外の「絡み」の部分が聞こえてこず、戦闘機を中心とする戦闘コマンドと、輸送機や給油機を運用する輸送コマンドの間には、依然として厚い壁があるような気がしてなりません

「遠方攻撃」を巡り、地上部隊と空軍の間に「すり合わせ」が全くない驚きの現状が明らかになって以来、米軍に関する心配は募るばかりです

「構想:空中給油機が通信中継ハブへ」
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-11
全ドメイン指揮統制連接実験演習:ABMSとJADC2関連
「今後の統合連接C2演習は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-08-1
「連接演習2回目と3回目は」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-02
「国防長官も連接性を重視」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-09
「将来連接性を重視しアセット予算削減」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
「米空軍の夢をCSBAが応援!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24
「初の統合「連接」実験演習は大成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-23
「空軍資源再配分の焦点は連接性」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-08
「マルチドメイン指揮統制MDC2に必要なのは?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-24
遠方攻撃を巡り米軍内に不協和音
「遠方攻撃をめぐり米空軍が陸海海兵隊を批判」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-22
「2つの長射程対艦ミサイルを柱に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
「射程1000㎞の砲を真剣検討」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-1
「中国対処に海兵隊が戦車部隊廃止へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-25
「再びハリス司令官が陸軍に要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

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