CSISが3つの米空軍将来体制研究の無人機活用に苦言

米議会委託のマイター、CSBA、米空軍の分析に対し
(米空軍に付度して)無人機活用提言が不十分と

CSIS Harrison.jpg29日、CSISのTodd Harrison上級研究員(前CSBA研究員)が、米議会の委託を受け「米空軍の将来体制」を検討した3つの機関(マイター、CSBA、米空軍)無人機活用に関する提言部分に苦言を呈し、安価で稼働率が高い無人機活用への姿勢が不十分だと主張しました

3つの機関の分析報告がいつ行われたのか把握していませんが、米空軍は当事者であり、マイターは国の予算で活動するコンサルで、CSBAは独立系だと理解していますが、CSBAも含めて無人機活用に消極的だとの苦言は、予算分析の専門家であるHarrison上級研究員ならではの視点かもしれません

特に無人空中給油機や無人機ウイングマンの活用をHarrison上級研究員は主張しているようですが、そんなご意見の一部をDefense-News記事からご紹介します

29日のCSISイベントの模様と同研究員の主張
https://www.csis.org/events/air-force-future

29日付Defense-News記事によれば
Harrison.jpg米空軍が飛行部隊数を増やす構想を掲げている中で、議会委託で「米空軍の将来体制」を検討した3つの機関(マイター、CSBA、米空軍)の提言を評価するイベントを開催したCSISのTodd Harrison上級研究員は、低コストで稼働率が高い無人機を、有人機の代替として活用する検討が不十分だと不満を表明した
3つの機関の検討提言は全般に、米空軍が現在保有する無人機の維持を支持しているが、Harrison氏はMQ-9やRQ-4無人機の低い運用コストや高い稼働率を例示し、空軍の将来体制検討ではもっと無人機活用を考えるべきだと訴えた

●Harrison氏は「有人機から無人機に移管していく任務についての工程表ロードマップが必要だし、無人機の新たな運用コンセプトも必要なはずだ」と、3機関の提言が不十分だと示唆した
●また「私は特にコスト面と稼働率面から無人機活用拡大を推奨したい。無人機は他の米空軍アセットに比べて、ずば抜けて両面で好成績を残しており、我々この利点を最大限に活用して応用範囲を広げるべきだ」と説明した

MQ-9-3.jpg●具体的に同研究員は、MQ-9の稼働率は90%近く、より高度な装備であるRQ-4でも75%程度の高い値を維持していると述べ、飛行時間当たりの維持費でも、米空軍のすべてのアセットの中で最低レベルの低コストを維持していると付け加えた

米空軍の研究提言は飛行隊数を現状より70程度増やして386個にする構想を踏まえ、無人機攻撃部隊を2個増やすことは記載されているが、どの様な攻撃機か触れておらず、指揮統制やISR用に22個飛行隊を増強すると提言しているが、具体的にどのようなニーズを指しているのか、また無人機活用の可能性については触れていない
マイターとCSBAの提言は、MQ-9とRQ-4を現有規模で維持することを主張し、CSBAは更に攻撃と電子戦攻撃用にMQ-Xとのステルス無人機の導入を提言している

XQ-58.jpg●このように3つの機関の提言は全般に無人機を支持しているものの、2030年の米空軍体制への提言にもかかわらず、2021年度予算への無人機予算増額や具体的提言を必ずしも含んでいないことにも不満を示した

●Harrison氏は加えて、「それが直ちに起こるとは思わないが、無人機活用拡大は必要なことだ。その変化の一部は米空軍内の文化を変える事であり、戦略的思考でどんな任務を無人機担わせるかを、米空軍に考えさせることでもある」とも述べた
●そして「無人機が今日の任務を担うまでもにも様々な事があった。組織的な抵抗に長い間さらされてきた。しかし無人機は自らその有用性を証明してきた。彼らは過去20年間の戦いにおいてその価値を証明したのだ」と語った

MQ-25.jpg無人機に期待できる分野としてHarrison氏は、米海軍が導入するMQ-25A空母艦載無人空中給油機を取り上げて空中給油を推奨し、米空軍が次期空中給油機でカメラ映像で給油操作員が対象機への給油操作を行う仕組みの導入を、あるべき方向だと称賛した
●更に同研究員は、無人機の群れでの活用やウイングマンとしての活用も低コストな無人機の将来を考える上で重要だと語り、損耗が予期される分野への応用を推奨した
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温故知新・・・過去記事より
カートライト統合参謀本部副議長(2011年当時当時)の主張
「次期爆撃機に有人型は不要だ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1
「誰一人として、私に爆撃機が有人である必要性を教えてくれない」、「核任務に有人型が必要だと言うなら、ICBMに有人型があるのか?」

古くて新しい議論なのかもしれませんが、CSISが写真の規模でパネリストを集めて議論する時代になったということです

世界中の空軍の方、特に戦闘機操縦者の方は、心して今後の身のふりを考えて下さい

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