ついに日本も宇宙作戦で同盟国の仲間入り!?
左の写真は、2017年12月8日(意味深な日ですが・・・)に航空幕僚幹部防衛部の精鋭が、加州Vandenberg空軍基地にあるJSpOC(統合宇宙作戦センター)を訪問した際の写真で、センターを運営する大佐の指揮官から、宇宙に漂うデブリの実物を説明してもらってる様子を写したものです。(6月4日付米空軍協会web記事が掲載)
ついに日本も戦闘服を着てJSpOCを訪問するようになったかと「ググって」みると、ここしばらく、米空軍からの宇宙軍独立騒ぎばかりをフォローしているうちに、米軍の宇宙運用が同盟国連合に拡大する具体的な動きが、Hyten戦略コマンド司令官(空軍大将・空軍参謀総長の最有力候補だった人物)の強力なリーダーシップで進んでいることがわかりましたので、種々の報道からつまみ食いでご紹介します
そしてそんな動きの中で、日本も遅まきながら同盟国の一員として、この連合宇宙作戦センターに関わるような動きを見せていることにも触れたいと思います
2010年
●米空軍が主導し、米国内の官民宇宙関係者や政治家までもが参加して宇宙での戦いを考える机上演習「2010 Schriever Wargame」の教訓として、秘密情報の扱いから米国関係者だけで行っていた宇宙作戦運用は、米国だけでは維持運用できない
●現在統合レベルまで勤務者を拡大しているJSpOC(Joint Space Operations Center)は、CSpOC(Combined・・・)として民間衛星運用者を含む同盟国関係者まで勤務者を拡大して運用しないと、宇宙の状況を的確に把握して作戦運用をすることが困難・・・との結論を得る
2017年
●宇宙状況把握の実験「Global Sentinel」の参加者を同盟国に拡大。豪、加、英、仏、スペイン、独、伊、日本、韓国が参加
2017年12月2日
●Hyten戦略コマンド司令官がReagan National Defense Forumで、CSpOC構想を発表し、2018年末までに運用を開始すると明らかに。同盟国軍関係者だけでなく、情報コミュニティーや民間宇宙運用者も交える構想を示す
●同年12月8日、航空幕僚幹部の精鋭がJSpOCを訪問し、活動の説明(推測)を受ける
2018年3月
●Hyten戦略コマンド司令官が下院軍事委員会で、共通の敵を抑止するためだけでなく、宇宙システムの開発配備の資金的な負担をシェアするためにも、同盟国を宇宙作戦運用に加えるべきだと証言
●「コスト分担合意、外国衛星の打ち上げ、情報共有合意、などなど、多様な同盟国等の協力機会が考えられる」と語る
2018年???
●(3月の報道の表現)最近、最も新しい同盟国として、日本が秘密度の高い「Schriever Wargame」に招待された。これでFive Eye partners呼ばれる米、英、豪、加、NZ、更にこれらに仏と独を加えた国に日本が加わることになる
●米空軍宇宙コマンドのJoseph Guastella少将は、CSpOCを今年夏にオープンすると空軍協会のイベントで発言
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主要国にとっても、米国以外の国にとっては、宇宙に関する国の基本政策もなく、軍におけるドクトリンなどあるはずもない中、米国の猛烈な誘いに乗るのも勇気のいる話です。
ましてや、Hyten戦略コマンド司令官が、議会対策もあるとはいえ、公式の場面で明確に「share the financial burden」と発言している中、日本も呼ばれただけで喜ぶわけにはいかないでしょう・・・
秘密度の高い分野で、表に出る部分は少ないですが、注意しておきましょう・・・
宇宙での戦いに備え
「同盟国にも訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「日本は不参加:米軍宇宙サイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-14-1
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「Schriever Wargame」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02