1月18日の送別式典以来のご発言
(式典の様子→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-17)
お声が聞けてうれしいです!!!
3日、Work国防副長官が上院予算関連小委員会で証言し、担当している調達技術兵站担当次官(AT&L)の分割検討と、サイバーコマンドの格上げに関する検討状況を説明しています。
何回かご紹介したように、国防省ではマティス長官以外の政治任用ポストが全く埋まっておらず、副長官や陸海空軍長官も空席のまま5月を迎えています。
そして「後任者が決まるまで留任する」ことになっているWork副長官は、山のような課題を背負って頑張っているわけですが、前政権で最も力を入れていた「第3の相殺戦略」について話を聞けず残念です。
それにしても・・・、対ISISや北朝鮮も大事なんですが、本格紛争に備え、米軍の技術優位を将来にわたって確保しようと、米国防省が1月19日まで取り組んで来た「第3の相殺戦略」はどうなったんでしょうか? 個々の部品事業は、各担当部署でそのまま進んでいるような気もしますが・・・。まぁ、その話題はまた別の機会に・・・
本日は断片的ながらお話が聞けるので、4日付米空軍協会web記事から久しぶりにWork副長官の議会証言を取り上げることにします・・。
調達技術兵站担当次官(AT&L)の分割検討
●国防省は、調達技術兵站担当次官(AT&L)ポストを、研究開発担当と調達維持担当に分割するよう議会から命じられており、2018年2月1日が期限となっている。本件に関し、マティス国防長官に案を説明して了承を受け、前進できることになった
●国防省として、議会に提示できる調達技術兵站担当次官(AT&L:undersecretary of defense for acquisition, technology, and logistics)を2つのポストに分割する案が出来上がり、「10日以内」に議会と議論が開始できる
●研究開発担当の仕事は、「国防省におけるchief technology officerのような仕事」で、「迅速な要求装備の実現:rapid prototyping」を主に期待されるポストである
サイバーコマンドの格上げ
(他のメジャーコマンド並みへ)
●2017年度国防授権法により、国防省はサイバーコマンドを(戦略コマンドや輸送コマンドや太平洋コマンドのような)フル・コマンドに格上げするよう命ぜられおり、2018年9月までに格上げ態勢で任務遂行が開始できるよう準備を進めている
●格上げ改編で焦点となっているのは「defensive」と「offensive」部門を設けることで、両者を機構に組み込むことで、我々のネットワークを監視しつつ、必要時に命ぜられれば、国家がその力を活用できるように編成する
●米軍が直面しているサイバー脅威に対処するには、人間の能力だけでは不十分であり、人工知能や「learning machines」の力を借りて撃退する必要がある。
●なぜなら我々には、我がネットワークを全ての脅威から防御するだけの十分な人員がいないからだ
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読んでいくと、自らに与えられた10数個の特別任務に取り組みつつ、しっかり持論である「第3の相殺戦略」の主要要素である人工知能や「learning machines」をアピールしています。
早くてもあと1か月くらいは後任者決定まで時間が必要でしょうから、ネーミングはとともかく、しっかり「第3の相殺戦略」の神髄を各種施策に編み込んでいただきたいものです。
しかしAT&Lポストに至っては、実際の人が配置承認されるまで、どれだけ時間が必要なんでしょうか? それまでどうするんでしょう・・・
追 伸
5月8日に空軍長官候補に対する承認投票が上院で行われます
空軍士官学校の女性3期生の元下院議員のこの方が候補者
「空軍長官候補」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
追 伸2
陸軍長官候補者の2人目も5日に自ら撤退
→http://www.militarytimes.com/articles/army-sec-mark-green-drops-out
関連の記事
「副長官の膨大な課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18
「Work氏退任式典の様子」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-17
「米軍サイバー機関の問題や対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「サイバー脅威の変化と対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21