次の米空軍参謀総長に新たな候補

Goldfein.jpg13日付米空軍協会web記事が、7月1日に退役するWelsh空軍参謀総長の後任候補に、これまでの種々の予想を覆し、現在の副参謀総長であるDavid Goldfein大将が最有力になりつつあると報じています。
人事の鍵を握るであろう、カーター国防長官やWelsh空軍参謀総長の考え方を本件に関する動きで探る興味深い記事ですので、短いですがご紹介します
13日付米空軍協会web記事によれば
●米国防省筋からの情報によれば、7月1日に退役するWelsh空軍参謀総長の後任候補に、現在の米空軍の副参謀総長(昨年8月に就任したばかり)であるDavid Goldfein大将が最有力になりつつある。
●これまで、現在の米空軍宇宙コマンド司令官である非パイロットのJohn Hyten大将が最有力の候補者と考えられてきたが、ここに来てこれまで名前が話題にならなかった候補が急浮上している
Goldfein2.jpg●同情報筋によれば、カーター国防長官が、対ISIL作戦をリードするための経験を持つ人材を望んでいる模様
Goldfein大将は1983年に空軍士官学校を卒業(防衛大学27期相当で55~56歳)し、副参謀総長に就任する2015年8月までの2年間は統合参謀本部議長の筆頭補佐役(Director, Joint Staff)、2013年8月までの2年間は米中央軍空軍司令官を務めていた
●今年2月にWelsh空軍参謀総長は米空軍協会総会の「大将パネル討論」で、自身の後任者は「non-pilot」であるべきだと強く主張し、宇宙作戦の進展と重要性を強調した後に、同パネル討論に参加していたHyten宇宙コマンド司令官に「後任問題」と「宇宙作戦」に関するコメントを求める一幕もあり、Hyten後任説の根拠とされていた
●そのHyten大将に関し同情報筋は、米戦略コマンド司令官(現在はCecil Haney海軍大将)の後任者の最有力候補だと語った
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あくまでも「噂」ですが、米海軍トップの作戦部長人事に代表されるように、最近の高級軍人人事にはカーター長官の要望が反映されることが多いです。
このため、長官が目の前の対ISIL作戦経験を重視するなら、相当な若返り(空軍士官学校期別で7つ飛び)になりますが、実現するかも知れません。
でも現職が「non-pilot」を推薦する一方で、国防長官が「現場経験」を優先希望する辺りは、興味深い所です
Goldfein3.jpgGoldfein大将の前職「Director, Joint Staff」は、軍人トップの統合参謀本部議長の筆頭補佐役として、ホワイトハウスや国防長官や軍主要コマンド等との調整に奔走する役回りと考えられ、そのあたりの働きぶりが目に留まったのかも知れません
それにしても・・・、実現すれば空軍内の秩序維持(期別や序列管理)のため、かなりの指揮官職の入れ替えも考えられます。
Goldfein大将はF-16戦闘機のパイロットで、米本土と欧州勤務だけ(中央軍空軍司令官を除き)で、F-16操縦者ながら三沢や韓国勤務はなく、アジア太平洋経験は「ゼロ」です。
やはり今一番米国防省にとっての懸案は、正に燃えさかっている「対ISIL」作戦と言うことなのでしょうか・・・
David Goldfein大将の経歴
→http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108013/lieutenant-general-david-l-goldfein.asp
本件に関するDefense-News記事
→http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/air-force/2016/04/13/goldfein-emerges-lead-usaf-chief-spot/82993884/
従来の噂候補3名
「次の空軍参謀総長候補3名」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09

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