13日付の米海軍協会web記事は露のRIA Novosti通信を引用し、ロシア空軍が2017年から遠距離要撃戦闘機Mig-31の後継機開発を開始すると報じています
Mig-31はロシア特有の要撃戦闘機で、低空を高速で侵攻する米軍のB-1爆撃機対処用に開発されたMig-25の後継機ですが、その後継を更に開発したいとの露空軍司令官の発言です
13日付の米海軍協会web記事は
●RIA Novosti通信によれば、ロシア空軍司令官のViktor Bondarev司令官は、2017年からMig-31(Foxhound)後継機の検討を開始し、2025年には運用を開始したいと表明した
●1982年から運用を開始し、ソ連崩壊で1994年に製造ラインが閉鎖されたMig-31を、ロシア軍は現在122機保有している。
●Mig-31は、マッハ3で飛行可能なMig-25を原型にして製造されたが、Mig-25と異なるのは、Mig-31が低高度で超音速飛行が可能な点や、フェーズドアレーレーダーを世界で始めて戦闘機に搭載した点である
●ちなみにMig-31は、マッハ2.83で持続飛行が可能で、主要装備としてVympel R-33(AA-9 Amos)長距離空対空ミサイル(能力向上型はR-77や R-37(AA-13 Arrow)ミサイル)を搭載可能である
●(まんぐーす注:上記の長距離空対空ミサイルは、射程150kmから200kmで、能力向上型は終末誘導がアクティブホーミングになっている。米国の大型爆撃機を遠方から攻撃する目的を持ち、またAWACSや電子戦機等の高価値目標要撃用とも言われている)
●ロシア軍は既に、Su-27の後継にSukhoi T-50 PAK-FAの開発を始めているが、この技術をMig-31後継開発にも応用できるかもしれない。しかし一般にこの開発計画は、楽観的過ぎるとの評価もある
●実際RIA Novostiはあわせて、8日、Dmitry Rogozin露副首相がMig-31の生産ラインを復活させると示唆したと報じている。同副首相はMig-31が西側に存在しないユニークな機体だと評価する発言も行っている
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引き続きロシア空軍近代化には、良く理解できない部分が残ります。
副首相と空軍幹部の発言方向の相違は毎度ながら、プーチンの空軍大軍拡発言や次期爆撃機開発宣言など、本当に可能なのかと思わせる「大風呂敷疑惑」発言も、最近威勢よく次々と飛び出しています
米軍の爆撃機を目標にするならば、ステルス爆撃機を想定した要撃構想が必要ですし、それは単に新しい機種の導入だけでは解決できない課題だと思います
また、「Su-27の後継にSukhoi T-50 PAK-FAの開発」と表現されていますが、T-50の大きさ等からAWACS等の高価値目標を要撃する狙いを持つのでは・・・との見方もあります。
なんとなく、世界中の空軍が「空中戦命」から抜け出せず、迷走しているような気がしてなりません。
「高町紫亜 Exelion Mode@rybachii」さんからのご指摘
●相変わらず理解していないようですが(笑)、要するに、これから開発するMiG-31の後継機(MiG-41)が揃うまでの繋ぎとして、MiG-31を近代化して更に使用し続けるという事です
●ロシア空軍向けの第5世代重戦闘機スホーイT-50(前線航空隊用将来航空複合体PAK FA)は2015年に国家受領試験の第1段階を終え、2016年から納入が開始されるとの事です。ロシア統合航空機製造営団総裁ミハイル・ポゴシャン氏の発言
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