海軍士官学校にサイバー専攻課程誕生へ

Naval-Academy-Cyber.jpg8日付Defense-Techが、米海軍士官学校が化学や物理や機械工学と並び、サイバー作戦を専攻課程の一つに付け加える準備を進めていると報じています。
陸海空と並び、サイバーと宇宙も新たなどメインだと主張する米軍ですから当然と言えば当然ですが、大学生レベルの教育課程にサイバー専攻を設置するのは、全米でも初めてになるようです。
西側諸国の軍にとって、一般社会と一体となって発達しているサイバー領域で如何に活動するかは難しい課題で、何を、誰が、どこまで、誰の許可を得て、何の根拠で・・・と言った基準の設定段階で足踏みが続いている状況です。
そんな中でも、サイバードメインを牽引するのは若い世代になる、との判断の元、素早く対応した海軍の動きは注目されるべきでしょう。
8日付Defense-Tech記事は・・・
海軍士官学校は、軍士官学校の中では始めて、サイバー作戦の専攻課程を学部生レベルを対象に設置する。計画では、2016年に卒業する士官候補生に初のサイバー作戦専攻卒業生が含まれることになる。
現在は、必修科目として1年生全員が「Cyber 1」を履修し、3年生で「Cyber 2」が全員に課せられる。現在のカリキュラムでも、単にプログラムを書いてみるだけでなく、サイバー関連の政策、法制、経済活動等の基本事項は全員がカバーしている
cyberwar2.jpg●サイバー作戦専攻課程の準備は約5年前から開始されているが、当時の学校長であったラヘッド海軍大将(海軍トップの作戦部長として昨年退役)が命じて始まったものである
●士官学校関係者は、国家のサイバー分野における国防省の位置づけが明確になっていない段階であり、課程のあり方を考える上で困難もある、と語っている。
●課程準備関係者は、メリーランド大学の大学院課程を参考にしたりしているが、学部生レベルでは初の課程になるのではと考えている
●関係者は、課程内容は技術等の進歩にあわせて柔軟に適応変化すべきだと考えており、基礎から最新の動向までもカバーしたいと述べている。
●また、専攻学生には夏期間を利用し、ソフト企業やネット企業、NSA等でのインターンシップを経験させることも考えられている。
●現段階で約30名の学生が専攻希望を出しており、本分野に特別な素養を持った者ばかりではないが、「現在試行錯誤して進化を続ける分野であり、新たな分野の先駆者となることに興奮する」とか「最初の潜水艦搭乗員になるような気分」と言った前向きな学生が多い。
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cyberCRT.jpg記事にはありませんが、教育に当たる人材の確保も大きな課題でしょう。
現代社会の特徴として、今の軍の基準では必ずしも評価されない、人間付き合いが上手くない人も増えています。そんな中にサイバー分野で才能のある人材が居るかもしれません。そんな人材を活用する道が出来ればなぁ・・・と思うのですが。
米軍部隊がサイバー攻撃を受けた場合の、「反撃」基準を示したROEが採択間近らしい
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-29
ロバート・ゲーツ語録
→全ての潜在的敵対者、つまりテログループ、ならず者国家、ライジングパワー、これら全てが共通に学び得たものは、米国と通常戦の手法で正面から対峙するのは賢明ではないとの認識である→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27

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