13日、カーター国防副長官が会見を行い、2010年にゲーツ前長官が開始した国防省の調達改革策の第2弾(Better Buying Power 2.0 initiative:do more without more)を開始すると発表し、意見聴取のための最終案を説明しました
カーター副長官は・・・
●第1弾は2010年9月に導入されたもので、国防省の効率性追求の一環として開始され、国防省が毎年計上するサービス・物品費$400 billion(32兆円)を生産性向上の観点から削減し、前線兵士が必要な装備等の購入に充てる取り組みであった
●第2段の今回は、第1段の教訓等を活かし、今後10年間で$487 billion削減する国防省予算の減額に資するものである。最終的には2013年の早い時期に取りまとめたい
●第1段の取り組みが、数百の経費削減策例を生み、「Better Buying Power」のコンセプトを実行に移すことができた。これらの事例は、我々はやればできることを示してくれた
ケンドール次官(調達取得担当)は具体的に
●最終案に対する意見やコメントを2か月間受け付け、より良い施策に仕上げたい
●第2段の新たな調達改革策には、大きく7つの焦点がある
— Achieve affordable programs;
— Control costs throughout the product life cycle;
— Offer incentives for productivity and innovation in industry and government;
— Eliminate unproductive processes and bureaucracy;
— Promote effective competition;
— Improve tradecraft in acquisition of services; and
— Improve the professionalism of the total acquisition workforce.
●上記7つの分野には総計36の小項目が含まれている。以前は5分野に23小項目を掲げて取り組んできたが、これを充実拡大した
●第1段の過程で、国防調達が極めて複雑であることが改めて明らかになり、このように項目を細分化した。どれ一つとして単純で容易な解決法はない
●政府組織の官僚機構と軍需産業の開発生産サイクルにおける生産性の低さは、複雑で根深い。この部分は第1段から引き続き対象である
●軍需産業の開発生産サイクル、つまりどれだけ早く製造して現場に届けるかであるが、その現状に極めて不満である。長くかかり過ぎている
●何が根っことなる要因かを見ると、要求や仕様の変更、試験の遅延、生産の遅延等々である。これらに対処する産業界の対処が機敏でないのか、いくつかの要因の組み合わせんのか
●いずれにしても、私は開発生産サイクル時間を短縮したいと強く思っている。この調達改革策は兵士に最善の装備を与え、税金をより効果的に使用することにつながるものである
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会見の最後は、「でも強制削減(Sequestration)が発動されるようなことになれば、我々が何かを成す前に、予算が飛ぶように消えていく」・・・でした。
現役の国防省幹部が、軍需産業や自ら所属する官僚機構をこれだけ批判出来る点はすごいです。
カーター&ケンドール強力2トップのお手並み拝見です
2年前の第一弾とは・・・
「ゲーツの取得改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
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