米軍は今後2年で数千の損耗覚悟の自立無人システムを

国防副長官が「Replicator」計画を発表
量で勝負の中国に対抗:詳細は数週間後に発表
既存予算の再整理程度だとの話もあるが・・・

Hicks NDIA.jpg8月28日、Kathleen Hicks国防副長官が軍需産業連合会(National Defense Industrial Association)のイベント講演で、多量(Mass)の艦艇やミサイルや人力等で脅威となっている中国に対抗し、米国防省は今後2年間に集中して「小型&安価であってもスマートな無人システムを大量」に導入する「Replicator」計画を遂行すると明らかにし、細部は「in the coming weeks」に発表すると語りました

Hicks副長官は計画について、「統合参謀副議長と共に同計画を監督する」、「展開が鈍重だと言われる米軍の軍事革新を、損耗覚悟(attritable)の自立無人システムを大量導入することで促進する」、「大量の艦艇やミサイル等を前面に押し出す中国軍に対し、我々は対処の事前計画が困難で、各個撃破が難しく、我の計画阻止がより厄介な対処法で臨む」と本計画の基本的考え方を語っています

Hicks NDIA3.jpgまた副長官は、「従来から保有する、大型で特別で高価で少数のプラットフォームも活用していくが、本計画では最近国防省が注力している、自立型システム開発への投資を加速することに特に焦点を当てていく」とも説明し、前国防省DIU責任者Mike Brown氏が「hedge strategy」で提唱した短期間に小型無人システムを大量導入する考え方を実現するものとも語りました

更に副長官は、2021年時点で既に約680個存在している関連プロジェクトに、2024年度予算で2500億円要求し、25年度にも米下院の後押しも得て1400億円も投入し、「Replicator」計画としてまとめて再整理し、より大規模に推進したいと語り、

Hicks.jpg「リスクはあるが、大きな賭けをすべき時だ。我々にはできる」、「中国対処が念頭にあるが、米国社会全体が追求すべき、我が世代が担う挑戦(generational challenge to American society)でもある」と計画実行への意欲を示しました
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追加情報で、副長官直属の報道官が「あくまで現有の各種計画の再整理だ。コストも数百億円になると考えている」とメディアにメール連絡したとの報道が出ており、Hicks副長官の「盛りすぎ疑惑」が浮上している今現在ですが、「in the coming weeks」に発表される予定の細部計画を待ちましょう

Hicks NDIA4.jpgでもそうですよねぇ・・・中国軍の戦闘機や艦艇やミサイルに対抗して、米国やその同盟国が戦闘機数や艦艇数で張り合っても、兵器や人員や補給物資の中国正面への輸送力やアセットを配備する拠点確保面で「既に圧倒的に不利」ですから、「小型&安価で、スマートな無人システムを短期間に大量導入」は素晴らしいアイディアです。日本も是非その方向を追求して頂きたいと思います
大型で高価な自立無人機開発は・・・

無人ウイングマンCCA関連
「CCAを2020年代後半導入へ」→ https://holylandtokyo.com/2023/04/03/4473/
「長官:NGAD 200機、CCA 1000機」→https://holylandtokyo.com/2023/03/09/4403/
「同技術を作戦機で装備化へ」→ https://holylandtokyo.com/2022/11/22/3948/

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