13日から15日の間に開催された同会議でのドンリー空軍長官の発言を先日ご紹介しましたが、本日はAir Force Magazineサイトに掲載の、その他のスピーカー発言から、Holylandの独断と偏見で興味深いところをピックアップします。
●14日シュワルツ空軍参謀総長「Air-Sea Battle」関連
講演後に記者団の質問に答え、効率化の一環として「産業界との協力強化」と「Air-Sea Battle Concept実現における海軍との連携強化」を継続的に進めていく必要を強調しました。
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Air-Sea Battleに関連しては具体的に「空軍は運用コンセプトと装備調達の両面で海軍と一体化(integrate)を進めなければならない。そして永続するよく練られた協力関係を構築し、一時期の指導層だけでなく継続して協力関係が引き継がれていかなければならない」と述べました。
●15日カーター国防次官「取得改革やもろもろ」
(参考記事)
「ゲーツとカーター取得改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「もう次期爆撃機とは呼ばない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24
・LRS(長距離攻撃システム)は電子攻撃、ISR、攻撃、スタンドオフ又はイン、友人・無人等々の複雑なモザイクである。そしてコストとの関係で、最近は見られなくなっていた、国防省をあげてのトレードオフ議論を行っている。ゲーツ長官が望んでいた議論である
・(KC-Xの決定は何時か、との問いに)この秋の何時かである。今慎重に選定業務を進めている。これ以上に細部の日程について語るものは、たぶん何も知らない者だろう。11月の議会中間選挙後まで延期だ、との情報を流す者も同様である。
・(今後5年で約9兆円の無駄削減について)産業界と各軍種はもう少し真剣にこの問題に取り組む必要がある。さもなければ納税者から国防省は見放され、計画やプロジェクトが中止や削減に追い込まれるだろう。
・米空軍は「program executive officer for the buying of services」を設置したことで、成果主義兵站の観点から他軍種の手本となっている。またKC-Xの混乱等を受けて開始された「Acquisition Improvement Program」を他の軍種でも採用するよう推奨している。
●15日空軍戦闘コマンドACC司令官フレイザー大将「空対空ミサイル」
我々は5世代戦闘機に相応しい、5世代の制空用ミサイルを切望している。
DRADM(Dual-Role Air Dominance Missile)と呼称する最終フェーズのミサイルは、現在のAIM-9サイドワインダーとAIM-120アムラームをあわせた役割を持つ。
●15日米空軍最先任軍曹
本年の空軍兵士の自殺者数は、昨年同時期と比較して27%アップして71人となっている。全軍をあげた取り組み、特にためらうことなく診療やカウンセリングを受ける事の重要性を兵士に理解させることが重要だ、と語りました。
また、今後3年以内に基礎教育課程にhand to handの格闘を取り入れることを基礎教育検討パネルで決定した。戦士としてのEthosを維持するために重要である。基礎課程の後をどうするかはまだ不明。
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その他欧州米空軍司令官が、欧州から装備や人員を引き払ってはだめ。アフガンで協力してくれている欧州諸国との関連でもマイナス。それよりも多数保有している土地を処分すべきである、との発言をしています。どの程度の土地で、どう処分するのか分かりませんが、あなたのポストが一番危ないはずなのに・・・大胆なご発言でした。
Air-Sea Battleに関する発言は、ゲーツ長官による「2011年中に退任する」発言を受けたフォローアップでしょう。
国防省改革全般と会わせ、ゲーツ長官が交代したら旧守派が巻き返し、を期待する勢力へのジャブとも取れましょう。
「Transformerゲーツ長官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17-1
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