6日、NPR(核態勢見直し)が発表され、既に多くの報道がなされているところですが、会見の臨んだ主要閣僚等の発言から注目されるところをピックアップしました。
●ゲーツ国防長官
環境の変化によって必要が生じれば政策の変更を行う。「生物兵器の破壊的な潜在力とその進歩の急激な状況に鑑み、生物兵器の拡散と発展によっては、米国はNPRを修正する」
“Given the catastrophic potential of biological weapons and the rapid pace of biotechnology development,” he said, “the United States reserves the right to make any adjustment to this policy that may be warranted by the evolution and proliferation of biological weapons.”
「どのような製造技術的な進展があろうとも、我々は現弾頭の改修や再生を強く指向する」(英語訳に自身がありません。以下ご確認下さい。全く同様の表現をエネルギー長官も使用しています。恐らく、Refurbishmentは決して新型兵器ではなく、寿命延命用の最低限の施策であることを強調しての発言です)
“In any decision to proceed to engineering development, we will give strong preference to options for refurbishment or reuse,”
●チュー・エネルギー長官
研究機関の責任者や他の外部有識者による検討結果は、核弾頭の延命計画は核実験なしに弾頭の安全で保証された効果を保つことが出来る、と明確に示している。
●クリントン国務長官
「NPRに示されたプロセスについては既に30ヶ国以上の同盟国やパートナー国と事前に相談している」
●カートライト統合参謀本部副議長
「前戦略軍司令官である私も、現戦略軍司令官であるチルトン空軍大将も、弾頭数やその削減、新弾頭の生産中止や従来弾頭の再生について問題ないと考えている。我々は十分な能力、つまり現在の脅威と予想しうる将来の脅威に対応する能力を備えている」
「しかし、いずれの司令官や関係者も、不十分であると述べる権利を奪われてはいない。我々は試さなくてはいけない、又は何か新しいものを作り上げて行かなくてはならない」
このほかにマレン統合参謀本部議長も発言していますが、国防省関係者は皆「大丈夫」「満足している」と発言しつつも、上記のように見直しについて触れたり、軍関係者をなだめるような発言であったり、いかにもぎくしゃくした感じです。米国防省HPの写真はどれも皆さん「どよん」とした表情に見えます。
「おまけ」メディア用説明パワポ
→ NPRバックグラウンド.pptx
「米空軍の核戦力は本当に大丈夫か」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-28-1
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