10日夜、米軍及び軍需産業関係者に衝撃が走りました。11日付「Defense Tech」が伝える所によると・・・
大統領に国家経費削減策の報告を命ぜられている検討委員会(The National Commission on Fiscal Responsibility and Reform)が、数多くの軍大型プロジェクトの削減を求めており、その中にF-35調達数大幅削減が含まれることが明らかになりました。
具体的には・・・
●海軍と空軍のF-35調達予定数は約半減。海兵隊は調達中止
●F-35調達削減の代替として、海軍はF/A-18EFスーパーホーネット、空軍は新しいF-16。(海兵隊については記述無し)
その影響については・・・
●F-35が「死のスパイラル」、つまり調達機数削減→価格高騰→更なる調達機数削減へ
●軍需産業関係者は「これは大変厳しい最悪シナリオであるが、かなりの可能性を持つシナリオでもある」と述べている。
●この状況に立ち至った場合、F-35計画の運命はF-35共同開発国で購入を考えている同盟国に掛かってくる。
●同盟国が(購入機数の)約束を守ってくれれば「コストの超高騰」は避けられる。しかしもし守られなければプログラムが危機にさらされる。
●海兵隊が購入予定のB型(垂直離着陸型)が無くなれば、開発コストが抑えられるのは確かであり、F-22のような「死のスパイラル」突入は避けられるだろう。
その他の削減又は中止候補装備
●V-22オスプレイの調達数を現計画の458機から288機に削減
●中止は海兵隊の新型水陸両用車両EFV、統合軽装甲車両(JLTV)及び統合戦術無線機(JTR)
そのほかの経費削減策
●装備品調達の15%削減(F-35調達削減を含む)
●非戦闘職の給与を3年間据え置き
●海外基地数を1/3に削減(reduce overseas bases by one-third)
●研究開発経費を10%削減
●外部委託労働者数の計画削減数を倍増する
/////////////////////////////////
F-35の調達機数削減については、CSBA研究員から空軍参謀総長特別補佐官に就任したエアハード氏(Thomas Ehrhard)が研究員時代に提言しています。CSBAの引いた流れが着々と進行しているようにも見えます。
エアハードレポート→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
検討委員会の提言がどれほどの影響力を持つのか知りませんが、時代の流れはこの方向でしょう。日本は・・・。
(F-35関連記事)
「あめとむちF-35新契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-25-1
「映像:垂直離着陸型」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-12
「戦術核を搭載するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
「新責任者は海軍から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-25
「ソフト開発がネック」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-11
コメント