米印軍事交流の状況

「米国とインドは、航行の自由と安定的な海上交通の確保という明確な願望を共有しており、特にインド洋におけるそれを重視している」
ScherINDIA.jpg24日、南及び南東アジア担当の国防次官補代理シアー氏(Robert Scher)がシンクタンクで講演し、米国とインドの軍事交流の現状について語りました。
中国の急速な軍事力増強の中、「世界最大の民主主義国」インドとの連携強化は米外交や安全保障上の至上命題とも言えましょう。
シアー氏はNew America Foundationにて・・・
09年にシン首相が訪米し、10年にはオバマ大統領が訪印した。本年7月にはクリントン国務長官が米印戦略対話に参加し、2度目の訪印を行った。
●米印両国の軍は、共通の価値と利害が同方向の行動に結びつくように、信頼感と相互理解の構築を図っている。
●人的な交流について
約100名のインド軍人が米軍の教育機関で学んでいる
–現インド陸海空軍のトップ3名は全て、米軍の学校等で学んだ経験を持っている。米軍人にもインド軍学校を卒業した高官がおり、2004年のスマトラ沖地震と津波への対処では、米印軍の協力を促進した。
–両軍の高等教育機関が覚え書きを結び、対テロワークショップやサイバー分野での相互研究会を行っている。
–米空軍の研究開発機関チームがインドを訪問した際は、インド側から仕掛け爆弾探知装置、ナノテクノロジーや超高温合金等の共同研究に関する提案を18も受け取って検討している。
●両軍の共同訓練について
malabarEX.jpg–インドは、他のどの国よりも多くの訓練を米軍と行っている。過去6年間に、約50個の演習を行っており、その内容は進化し続けている。
両海軍は10年に渡り「Malabar」海軍共同演習を行っている。演習は年々高度化し、最近では防空、ミサイル防衛、対潜水艦作戦やシナリオに基づく訓練まで行っている。
本年9月には、初めてインド沿岸警備隊と訓練を行う。対テロや海賊対処の専門チームを米国から派遣し、インドと訓練を行う。
–これらの活動を通じ、我々は鍵となる、海上情勢認識や海賊対処や人道支援や災害対処に関する協力関係を深化させる。
–また両国陸軍は、1962年以来途絶えていた通常戦訓練を、2004年から「Yudh Abyhas」との名称で行っている。この演習で米陸軍は、実戦以外で初めてストライカー装甲車を国外に派遣した。
「米印陸軍大演習とヨガ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-01
Yudh Abyhas.jpg●これらを通じ、地域と世界の安全の維持と推進のために資する
●別の視点であるが、90年代にゼロであった国防装備品の米からインドへの売却が、今日FMSだけで5000億円に上っている。これによりインド軍は将来、米国製の兵器を日常的に用いて活動することになる。
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相互交流のレベルは「第一段階」と言ったイメージですが、インド陸軍の要望に応えて旧来の戦車戦のような共同演習まで行って(サービスして)関係を強化しようとする意気込みが米側から伝わってきます。
やはりインド洋での覇権争いですか。
最近は地道な記事が多くなってきました。これはこれで大変よろし。

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