中国の空母が初の試験航海を行った10日、台湾も負けずに頑張っているところを見せてくれました。
2年に一度台湾で開催されるタイペイ航空宇宙防衛展示会(Taipei Aerospace and Defense Technology Exhibition (TADTE))の開会に先立ち実施された記者発表会で、「空母キラー巡航ミサイル:Hsiung Feng 3」がお目見えした模様です。10日付「Defense News」記事より
記者達に衝撃だったのは、上の運用想像図です。
3発のHsiung Feng 3が描かれ、内2発は中国空母の右舷前方と後方に着弾し、もう1発はまもなく命中の図になっています。
この絵を見た記者達は、2010年の中国のエアショーで掲げられた中国製ASBM:DF-21Dが米空母に落下していくイメージ図(一番下の図)を思い浮かべたようです。
射程は約130kmと言われており、フリゲート艦での発射試験が実施中らしいです。また中国正面の沿岸地域に隠して配備する計画もあるようです。
2008年に登場した馬英九政権は、中国との緊張緩和を図り経済関係強化を進めてきたこともあり、中国を「敵」として表現することに曖昧な表現を用いて来たのですが、この想像図はその流れに反するモノで政権にとっては「やっかいな」展示物(「Defense News」記事の表現)となりそうです。
Hsiung Feng 3は台湾軍の傘下にあるChungshun Institute of Science and Technology (CSIST)によって研究開発が進められており、ラムジェットを用いた巡航ミサイルとなっています。
米国からの最新兵器供給が滞りがちな台湾では、このほかにも・・
●Hsiung Fengシリーズの対艦ミサイル
●Hsiung Feng 2E:対地巡航ミサイル(台湾版トマホーク)
●Tien Kung (Sky Bow)防空ミサイル
(台湾版ペトリオット。弾道ミサイル防衛を意識したミサイル)
●Tien Chien (Sky Sword)
(対地ミサイルでARM機能で電波発射源を攻撃)
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←2010年の中国のエアショーで掲げられた中国のASBM:DF-21Dが米空母に落下していくイメージ図
空母は基本的に脆弱です。今後は・・
「論争:中国空母は脅威か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-28
「中国がASBM基地建設?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-07
「中国ASBMは配備間近か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-31
「米は台湾に最新F-16売却するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-08
「米中軍事対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「台湾民進党の反撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-18-1
「台湾空軍の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-14
「海軍海兵隊とも全面対決へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1
「(追加)海軍海兵隊と対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-07
「海兵隊は生き残れるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-16-1
「海兵隊へ再び最後通牒」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-16