1日付「Defense News」記事が伝えるところ、オバマ大統領が宣言した約35兆円の国防予算削減(2013年までに)に対する案として、米陸軍は現在保有している45個の現役戦闘旅団(brigade combat teams:BCTs)を10個削減する案を検討中です。
記事によれば・・・
●米陸軍は既に、定員を約27000人削減する方向で新規採用者数を絞り始めている。この削減には、2009年に開始された22000人増を、2012年末までに削減する事も含まれている。
●匿名の陸軍幹部によれば、戦闘旅団10個削減もこの定員削減と連動して議論されているモノである。なお陸軍は計73個の戦闘旅団を保有しており、45個が現役、残り28個が予備役である。
●このほかにも、イラクやアフガンからの撤退にあわせ、予備役の旅団を5個削減する案も検討されている。
●戦力管理担当のAnthony Ierardi少将は、「陸軍内の包括的戦力組成分析においては、あらゆる案がテーブルの上に乗っている。しかしまだ何も最終決定されていない。」と述べるに止めた。
●陸軍内の分析は9月に陸軍指導者が国防省に報告するために準備されており、国防省が10月に提出する削減案を構成するモノである。
●デンプシー陸軍参謀総長は教育ドクトリンコマンド司令官時代から、同旅団を10個削減しても、残りの旅団の機動性を増すことによる利点も大きいとの検討を行っていた。
●検討当時はイラク派遣期間を18ヶ月に押さえるため、旅団数の削減が出来なかったが、イラク情勢が落ちつけばこの案を持ち出せる。ただし削減が実施されても、段階的に行われるだろう。
●ちなみに、この戦闘旅団は2003年のイラク戦争以降に戦力のモジュラー化を追求して設立が始まったモノである。それ以前は20個師団と14通常旅団であった。
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記事によれば、10月に35兆円削減に関する国防省案が明らかになるようですが、今後このような「検討中の削減案」が海空軍筋からも聞こえてくることになるのでしょう。
アドバルーンというのか、のろしと言うのか・・・吹き流しとも・・・。様々な噂や憶測から、背景にある思惑が覗けるかも知れません。
戦闘装甲車「Stryker」の削減もポイントです。
オバマ大軍縮関連
「35兆円削減の影響分析は9月末」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-28
「政治家よ目をそらすな議論を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「更なる予算削減に備えて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
「オバマ35兆円削減宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05
「4段階で経費削減に臨む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-20