モンゴルの征服を許さず、自力でフランス占領軍を駆逐し、米国に勝ち、中国軍の侵入も過去退け・・・
中国に対抗するアジア全体の戦略を考える時、本地域で最も頼りになりそうなベトナムについてご紹介です。
・・・と言っても1ヶ月以上前のニュースを中心に取り上げるので遅いのですが、まんぐーすはよく知らなかったので、新鮮で嬉しかったです。岡崎久彦氏のブログも引用しつつ。
南シナ海天然ガス・石油開発で(産経電子版より)・・・
●9月15日付インド紙によると、ベトナムとインドが南シナ海の天然ガス・石油の共同開発に向けた協議を進めていることに、南シナ海の領有権を主張する中国がインド側に抗議していた模様。インド国営石油・天然ガス公社とベトナム国営石油会社ペトロベトナムによるベトナム沖海底2鉱区の調査計画について、中国が数カ月前にインド側に「開発は違法だ」と抗議したとの報道。
●インドは国際法を順守した合法的な活動だとして協議を進める考えで、さらにベトナムとの関係強化を図る意思を明確にしている。
●中国外務省の姜瑜報道官は同日の記者会見で「南シナ海と周辺の島の主権は明らかに中国にある。これは歴史的事実と国際法に立脚したものだ」とインドへの言及は避けつつも、共同開発への不快感をあらわに
●インド外務省のプラカシュ報道官は同日の会見で、「インドはベトナムとの協力、また世界のどの国との共同開発も国際法などに沿って行っている」と中国側主張を間接的に拒否し、エネルギー開発におけるベトナムとの協力を「さらに拡大させたい」と応酬
9月22日付WSJ紙で英国のHarsh V. Pant教授は・・・
●インドの国営石油ガス会社の南シナ海進出に対して、中国は、これは中国の許可を要することだ、との警告を発したが、そうした中国に対し、今度はベトナムが、1982年の海洋法を盾にベトナムの権利を主張
●インドは、そうしたベトナムに対し、中国に対する抑えとなる安全保障上の役割を期待している。それに、インドもベトナムもソ連技術の武器を使っているので、インドにとってベトナムは比較的援助し易い。また、両国とも米国と協力出来る可能性を秘めている
●中国は印越接近を妨げようとしているが、印越が確固たる態度を示せば、これは中国の穏健化に役立つかもしれない
岡崎久彦氏のコメント
●ベトナムは強悍なる独立国家です。モンゴルの征服を許さず、自力でフランス占領軍を駆逐し、米国に勝ち、中国軍の侵入も退けてきました。
●独力でも戦う用意はありますが、その一方、同盟国が必要な場合は、例えば独立戦争の時は中国、ベトナム戦争の時は中ソなどからの援助も柔軟に利用してきています
●今回のインドとの接近も、対中国という観点からは、ベトナムとして厭うところではないでしょう。
●米国にとっては、ベトナムが今でも共産党一党独裁国家であることや、ベトナム戦以来のしこりがあるために、協力関係に入りにくい面がありますが、昨年ヒラリー・クリントンは敢えて訪越し、南シナ海問題を取り上げています。(ゲーツ前国防長官も歴史的訪問)
●インドが中国の脅しに屈する、あるいは、中国との間で何らかの政治的妥協に達して南シナ海から引き揚げない限り、印越協力は、南シナ海の国際バランスの一要素となると思われます。
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サッカー日本代表を苦しめたベトナム代表の身体には、柔軟性を備えた強き民族の血が流れていたのですねぇ・・・。
モンゴルとフランスと米国を果敢に撃破し、今度は中国に・・・。
これまでは「アオザイ」の女性にしか興味がありませんでしたが、単純に応援することにします。
10月下旬(来週か?)にベトナム国防相が来日する調整が進んでいるようですし・・・。
「ベトナムでASEAN Plus参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-11
「対中国で北東から南東アジア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「続対中国で北東から南東アジアへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04
「マレン議長がアジア政策を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-27
「米国の姿勢シャングリラ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「フロノイのアジア政策授業」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30