久々の米中軍事協議

ChinaFlag.jpg7日、北京で9月以来久々に米中のハイレベル軍事協議が開催された模様です。
米側はフロノイ次官(政策担当)、中国側はお馴染み馬暁天・副参謀総長(Ma Xiaotian)がそれぞれのリーダーを務めた協議は1日だけのモノだったようですが、9月の台湾への武器輸出発表や11月の海兵隊豪駐留発表などを受けてのゴタゴタの影響は、長く尾を引かなかったようです8日付「Defense News」より
新華社通信は米中協議を伝えて・・・
Ma Xiaotian.JPG●今回の協議では、両国の軍事交流、朝鮮半島情勢、南シナ海情勢、米による台湾への武器売却が議題に上った模様
●協議開催に当たり副参謀総長は、「両国は軍事交流の維持に誠実に対応している」、「両国はこの機会を最大限に活用し、認識の共有、リスク管理や誤判断の防止に活用したいと希望している」と語った。
また新華社は、6日胡錦涛主席が中央軍事委員会で・・
国家安全保障と世界平和を守るためにより大きな貢献が出来るよう、中国海軍は戦闘態勢準備に更に励め」と訓示したと報じ、これが米国や世界で話題となっていますが、そんな中でも坦々と協議は行われたようです。
8日、フロノイ次官は帰国直前に北京で・
豪への米海兵隊ローテーシュン配備は、直接中国に向けてのことではなく、「信じがたいほどに」強固な同盟関係を持つ両国の能力向上のためである、と中国側に説明した
●また、米国は中国封じ込めを意図しているのではなく、中国を敵と見なしている分けでもないことを説明した。
●米豪同盟に継続して投資し、相互運用性を強化し同盟を強化することにより、地域の安定と同盟国等との関係安定を確保することを継続していく、とも説明した。
Flournoy2.JPG米国の南シナ海論争に関する立場は、関係国間のどちらかに立って議論(take sides in disputes)することではなく、論争の平和的解決で国際法規に沿った解決を見守ることに関与続ける(remain committed to seeing those disputes resolved)ことにある。
台湾への防衛支援は、彼らが議論のテーブルにつく際にここと良い位置にあるよう、台湾の防衛能力をサポートするモノである。南シナ海と台湾に関しては、新たな展開はない
●今回の協議では日本とフィリピンについては議論の焦点ではなかったが、豪での軍態勢変更は、北東アジアでの態勢に影響を与えないことや日本の防衛に関する戦力には変化がない事を説明した。
中国による海賊対処は非常に肯定的な分野である。アデン湾に於いて中国艦艇は、中国籍の船舶だけでなく、それ以外の国の船のエスコートも行っている。この分野は、教訓の共有や共同訓練に適している。
その他、パキスタン情勢、アラブの春等々も議論したとフロノイ次官は語っています。
国防省報道コンビは8日米中関係について・・・
littleKirby128-2.jpg●(胡錦涛主席の海軍への発言について)中国が戦争に向けて準備を加速しているなどとは考えていない。また、どの国も中国との紛争など求めていない。
●海軍はその国の安全保障上の利害を守るため存在しているのであり、全ての海軍は作戦可能であることを追求している。我が海軍も同様である。
●我々は、中国政府が自国海軍を海上行動に適応させようと望むことに、とやかく口出ししない
フロノイ次官が米中協議を終えて帰途についたところである。中国は、我が国が良い関係を築こうとしている国である。我々は良い方向に向かっている
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米国は例えば中国の空母に関する透明性や説明を求めて来ましたが、今度は中国が米海兵隊の豪駐留について説明を求めています。
それでも両国関係は以前ほどギクシャクしていません・・・「Defense News」も不思議がっていますが・・・
下記の「バイデン副大統領による裏取引」が効いているのかもしれません・・・
中国側の馬暁天・副参謀総長は、恐らく8日にはインドとの軍事協議のためニューデリー訪問だと思います。
米国とインドを股に掛けて・・・双方の話を天秤に掛け、双方に揺さぶりを掛け・・・と言った構図が浮かんできます。
中国も偉くなったモンです。
「中国軍トップ訪米と美人通訳」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18
「米中戦略経済対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「1月ゲーツ長官の中国訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09-1
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10
「バイデン訪中と米中妥協」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12
「なぜ中国は最近高圧的か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-12

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