映像:スエズ運河で商船にムスリム同胞団が無差別攻撃!
5日付米海軍協会web記事が、8月31日に撮影されたスエズ運河通過中のパナマ船籍商船への無差別テロ攻撃映像(4日ネットにアップ)を公開し、その概要を報じています。攻撃を受けたのはパナマ船籍のコンテナ輸送船で、中国の海運企業COSCOの船です。
最近発生したエジプト軍事クーデターで排斥されたモルシ大統領の支持母体である「ムスリム同胞団」を支援する「Al-Furqan」が、犯行声明を書簡で公開している模様です。
「Al-Furqan」の犯行声明によると・・・
●イスラム教徒の攻撃に向かうであろう空母が使用する国際海運ルートを攻撃し、併せて専制的で支配的な国家への報復とする
●民主主義の終結を求め、スエズ運河通過する船舶へのより激しい攻撃を更に実行する
スエズ運河を管理するエジプト政府のSCA(Suez Canal Authority)はエジプト軍と連絡を取り、海運会社COSCO関係者に状況を確認している模様
世界の各種報道によると
●海運コンサルタント会社Nexus関係者は、「COSCOの運行管理責任者は、ロケット弾攻撃を受けたことを認めている」と語った
●石油情報会社「International Oil Daily」は2日、「COSCO幹部の話として、小型ロケット弾のようなもので攻撃を受けた。船の前方部に命中し、大きな爆発音を上げた」と報じている
●COSCO関係者は海軍協会web編集部にメールで「甲板と船舶側面の被害は軽微なもので、けが人も居ない。わが社は本件についてこれ以上お話しすることは無い」と返答した
●エジプト軍当局は、3名を逮捕した。ピストルや機関銃を使用した犯行で、RPGは使用していないと軍は述べている。
●海運コンサルタントNexus社の専門家は「エジプトは犯人を逮捕できていないはずだ。犯人はネットに映像をアップできたのだから。映像は明らかに2発のRPGが発射され、成功はしなかったが船舶の沈没を狙っている」と見ている
●元米海兵隊員であるNexus社の専門家は、「Al-Furqanは愛国者の意味で、イラクで活動していた過激派が名乗っていたが、今回は別の組織だと思う。わが社は直ちに全ての船舶運行者に対し、警戒するよう情報を発した」と語った
●観光業が落ち込んでいるエジプト政府にとって、年間5000億円もの運河通行料収入は極めて重要であり、エジプトは事態の沈静化を狙って犯人逮捕をアピールするだろう。
●多くが英国所在の船舶保険業界も、事態の悪化を望んでいない。喜望峰周りは燃料費がかさみ、北極海ルートもまだ未開拓でリスクが高く、スエズ運河には代替手段がほとんど無いため、保険料の増加はコストに直結する
●米国や他国がスエズ運河について警報を発したとの情報は無い
●現在紅海に米空母ニミッツやミサイル巡洋艦等が配置されており、今後シリア作戦に備えてスエズ運河を通過する可能性もある。先週、揚陸艦USS San Antonioは無事運河を通過してる。
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日本の報道はオリンピック開催地の話一色ですが、色々と悩ましい話が世界中で進行中です
映像からすると、遊び半分の犯行で、自分の使用しているRPGの威力も把握していない連中の犯行のようですが、逃げ場所が無い運河での犯行で、一旦船舶が立ち往生したら「封鎖」されたのと同様の効果をもたらすので効果抜群です。
今後の世界の反応に注目です!
「映像:60秒でスエズ運河通過体験」 運河の概要や歴史も
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-20-1