5日、海軍研究所(NRL)が発表したところによれば、今年8月に潜水艦のミサイル発射装置から燃料電池駆動の無人ISR機を射出する初の試験が行われ、数時間の飛行の後、予定通り地上基地で回収されたとのこと。
無人ISR機は飛行間、発射した潜水艦や周辺の艦艇に「ライブ映像」を送信し続けた模様で、開発関係者は、潜水艦作戦や特殊作戦分野に革命的進歩をもたらし、無人機の推進力や射出方法の「パラダイム・シフト」を意味するとアピールしています
米海軍協会webサイトによれば・・・
●海軍研究所(NRL:Naval Research Laboratory)のWarren Schultz計画責任者は、6年間を掛けた海軍研究機関と軍需産業の協力により、特殊作戦世界の要求に応える技術を開発する出来たと語っている
●今年8月、海軍研究所が開発した潜水艦射出無人ISR機XFC UAS(eXperimental Fuel Cell Unmanned Aerial System)は、潜水艦Providence (SSN-719)の魚雷発射管から、「Sea Robin」発射システムを使用して射出された
●「Sea Robin」発射システムは、トマホーク巡航ミサイルを射出するキャニスター内部に納まるよう設計された装置である。
●「Sea Robin」は潜水艦の魚雷管から射出されて海面に達し、その後、発射潜水艦からの指令を受けて「XFC UAS」を射出する
●海軍研究所によれば、「XFC UAS」は自立飛行する無人機で、射出後に折りたたまれていた翼を広げ、燃料電池で6時間以上飛行可能である。海面に浮上したコンテナから射出される際は、「electrically assisted take-off mechanism」が用いられる
●8月の初射出試験では、「成功裏に数時間飛行し、ライブ映像を潜水艦と支援艦艇とノーフォーク基地に提供」し、最終的にバハマに設けられた海軍システムコマンドの試験施設に着陸した
●この「XFC UAS」とは別に、ボーイングとグラマン社が2009年、バージニア級攻撃原潜とオハイオ級ミサイル原潜から無人機「ScanEagle」を射出するキャニスターを提案したことがあった
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ご参考:NRLの関連web記事
→http://www.nrl.navy.mil/media/news-releases/2009/nrls-xfc-uas-achieves-flight-endurance-milestone
技術的にどれほど困難な装置なのか予備知識がありませんが、中国なんかも当然考えているように思います。
潜水艦からレーダーで探知されにくい小型ISR無人機を射出し、米空母や艦艇の位置を特定、対艦弾道ミサイルDF-21Dを正確に誘導する・・・なんてことを当然考えているのでしょう。
海軍研究所の発表では「特殊作戦」も強調されているようですが、対テロでしょうか? 沿岸地域の敵施設の位置特定でしょうか・
レーザー関連兵器の記事
「レーザーで無人機に充電」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-19
「海軍がレーザー兵器へ前進」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-12
「自己防御レーザー、無人ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-02-1
「レーザー兵器開発の動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01