比駐留の米軍対テロ部隊縮小へ

Philippines.jpg26日付米海軍協会web記事によれば15年近く継続しているフィリピン南部への米軍特殊部隊の派遣が転換期を向かえ、縮小の方向にある模様です。
比政府とイスラム系組織との間で、最近何らかの合意があった模様で、400名規模とも言われる海軍特殊部隊SEALSと海兵隊部隊が「移行期:transition」に向かうようです
一方で、当該米軍部隊が全て帰還すること無い模様で、軍事顧問的な規模の米軍関係者が残りそうな雰囲気です。
今年4月、オバマ大統領の訪比の際、米国と比政府は強化国防協力合意(Enhanced Defense Cooperation Agreement)を結び、米軍の比軍基地へのアクセス拡大に合意していますので、イスラム組織も「しばらく様子見」体制に入ったのかもしれません
26日付米海軍協会web記事によれば
Gazmin.jpg●米軍部隊の比南部への派遣は、911事案の1年後に、アルカイダ系のアブサヤとMoro Islamic Liberation Front(MILF)に対処する比政府を支援するため、米軍拠点が設置されたことで始まった
●当時の米情報機関が、911事案関連のアルカイダ活動家とアブサヤとの関係を突き止めたことが背景にある
6月25日、米国防省報道官Steve Warren大佐は、比南部に展開している米軍統合対テロ特別部隊による作戦が縮小されるとの報道を追認した
●報道によれば、比のVoltaire Gazmin国防大臣も、米国から米軍の動きを承知しており、比軍のみで南部のイスラム過激派に対処できるとの自信を示した
●一方で米国防省高官は米海軍協会に対し、米軍による比での対テロ作戦が完全に終わるわけではなく、軍事関係者が比国内に止まると語った
●同高官は、任務の終了ではなく、移行期に入ったと表現し、「彼らが去ることはなく、将来もそこに存在する」と語った
MILF2.jpg●ただし報道官のWarren大佐は、約400名の特殊部隊が今後撤収するのか等の細部には言及を避けた
●また太平洋軍の報道官も、本件に関する質問に対し、回答を示していない
●米国防高官は特殊部隊の任務終了決定の背景について、3月に比政府とMILFとの間で結ばれた「平和協定:peace pact」の存在をあげた
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イラクの情勢もあり、イスラム過激派の動きから目が離せませんが、とりあえずフィリピン南部では「様子見」状態がしばらくは続くのでしょう
それにしても、中国は今のイラクをはじめとする中東情勢をどのように見ているのでしょうか? 「火事場どろぼう」的な動きがないよう祈るばかりです
マニラ北部の飛行場を米軍機の展開基盤に・・等の構想
「米空軍のアジア戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16
フィリピン関連の記事
「比が米軍受け入れ合意へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-10
「比大頭領が空軍再建宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-02
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16

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